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内モンゴルで活躍するJICAボランティア——日本語教師 浦井智司さん

人民網日本語版 2015年04月13日15:00

<在中日本人の記録番組>中国と共に生きる 第12回

 

開発途上国の経済・社会の開発を支援するため、資金的・技術的な協力を展開する国際協力機構(JICA)。JICAは「青年海外協力隊」と呼ばれるボランティアを世界各地に派遣し、現地の人々とともに、その国や地域が抱える問題の解決に取り組んでいる。ここ中国にも、過去30年間に渡って800人を超える隊員が派遣され、日本語教育やリハビリテーションといった分野で貢献してきた実績がある。今回人民網記者は、内モンゴル自治区赤峰市内に位置する赤峰学院で、日本語教師として活躍する浦井智司(うらいさとし)さんへの訪問取材を行った。

浦井さんは2013年7月から、内モンゴル自治区赤峰市内の赤峰学院に日本語教師として派遣された青年海外協力隊員。以前も日本語教師としてタイに2年間滞在していた経験もあり、外国で教鞭を執る経験は非常に豊富だ。

浦井さんは同校日本語学部の会話の授業を週に5回受け持っている。「意識していることは、生徒が日本語を話す機会を如何に作るか。1つの授業での発話は生徒7割、教師3割程度が理想」という浦井さんの授業は、生徒たちが積極的に日本語での会話を楽しむ和やかな雰囲気に包まれていた。授業に対する生徒からの評価は非常に高く、誰もが「根気よく丁寧に、優しく教えてくれる先生」と口を揃える。この地域で暮らす外国人は少なく、まして日本人ともなるとさらに限られてくる。そのため、多くの生徒にとって浦井さんは初めて接する日本人となる。この約2年間、浦井さんは出来る限り生徒たちに親しみをもってもらえるよう工夫を凝らしてきた。自宅に招いて日本の料理を作ったり、時には生徒の寮に足を運んで世間話をしたり、「日本語コーナー」を設けて休み時間にも質問を受け付けたり。また生徒一人一人に日本風のニックネームを作って呼ぶことも、浦井さん自身が彼らの名前を覚え易くするとともに、彼らとの心の距離を縮めるための工夫の一つだ。「うめちゃん」、「ゆうたくん」、一人一人の中国名に因んでつけられた日本名を、授業時間に限らず、彼らは普段から喜んで呼び合うようになったという。

浦井さんの熱意は他の教員にも伝わっていた。同校日本語教師の紀玉氷(ジー・ユービン)先生は、「浦井先生は生徒たちに等身大の日本人と接する機会を提供し、それまで知ることのできなかった日本の様々な情報や文化に触れるための貴重な窓口となっている」とその役割の重要さを語る。

浦井さんは、この2年間で自分自身の成長も感じている。「昨年使ったノートを使用しているので、それを参考にしながら今年はさらに改善された授業を提供できるようになった」。そんな浦井さんの任期終了(今年6月)後の予定は、大学院に進学し、引き続き日本語教育の理論を深めること。そしてその後はまた現場に戻って実践を重ねたいという。「日本人にしかできないことが誇り」と浦井さんは語る。

JICAの取り組みの最前線に立って、現地の人々と交流し、信頼を構築し、「草の根の外交官」のような役割を果たす青年海外協力隊。今後も浦井さんのような若い人材が、中日両国の懸け橋として活躍してくれることを期待したい。(岩崎元地)

「人民網日本語版」2015年4月10日

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