一九九八年度の中央と地方の予算執行状
況および一九九九年度の中央と地方の予算案

代表のみなさん
国務院の委託を受けて、ここに一九九八年度の中央
と地方の予算執行状況および一九九九年度の中央と地方
の予算案について大会に報告し、審議を願うとともに、
全国政治協商会議の委員のみなさんのご意見をも求める
ものである。
一 一九九八年度の中央と地方の予算執行状況
一九九八年、党中央、国務院の指導のもと、全国人
民が心を合わせて協力し、ともに奮闘して、アジア金融
危機と大洪水による災害というきびしい試練に耐えなが
ら、経済活動が貴重な成果をあげた。国民経済はかなり
高い成長をたもち、国内総生産は前年度より七・八%増
え、人民元の為替レートは安定しており、年頭に確定し
た改革と発展の諸目標が基本的に達成された。
経済が着実に成長する状況をふまえて、一九九八年
度の中央と地方の予算執行状況は比較的に良好であった
。一九九八年度の中央の歳入は五四八三億元で、予算の
一〇三・三%を達成した。そのうち、中央レベルの収入
は四八八五億元で、前年度より一五・六%増であった。
地方財政から中央への上納金収入は五九八億元で、前年
度と同じである。中央の歳出は六四四三億元で、予算の
一一一・七%を達成した。そのうち、中央レベルの支出
は三一二〇億元で、前年度より二三・二%増であった。
地方助成支出は三三二三億元で、前年度より一六・三%
増であった。中央財政の収支を差引くと、赤字額は九六
〇億元で、第九期全国人民代表大会常務委員会第四回会
議が審議・認可した補正予算と同等の額である。
一九九八年度中央財政の国債発行高はあわせて三八
九一億元に達し、地方にインフラ建設資金として融資し
た五八〇億元を除くと、中央財政の債務収入は三三一一
億元で、そのうち、二三五一億元を国内・国外債務の元
利償還に当て、九六〇億元を当年度の財政赤字補填に当
てた。このほか、一九九八年度の中央政府の管轄する基
金の収入は一二〇四億元で、中央政府の管轄する基金の
支出は一二〇四億元であった。
地方財政の収入総額は八二九一億元で、予算の一〇
三・八%を達成した。そのうち、地方レベルの収入は四
九六八億元で、前年度より一二・三%増であった。中央
から地方への補助金は三三二三億元で、前年度より一六
・三%増であった。地方財政の支出総額は八二四九億元
で、予算の一〇三・三%を達成した。そのうち、地方レ
ベルの支出は七六五一億元で、前年度より一四・二%増
であった。中央への上納支出は五九八億元である。地方
財政の収支を差し引くと、剰余金は四二億元であった。
以上の中央と地方の予算執行状況を集計すると次の
通りである。一九九八年度の全国歳入は九八五三億元で
、予算の一〇一・八%を達成し、前年度より一三・九%
増であった。全国の歳出は一兆七七一億元で、予算の一
〇六・二%を達成し、前年度より一六・七%増であった
。全国財政の収支を差し引くと、歳出は歳入を九一八億
元上回った。そのうち、中央財政は九六〇億元の赤字で
、地方財政は四二億元の黒字であった。これらの数字は
、中央と地方の決算編成後にいくらか変わることがある
。
代表のみなさん 第九期全国人民代表大会第一回会
議が承認した一九九八年度の中央予算は『中華人民共和
国国民経済および社会発展の第九次五カ年計画と二〇一
〇年の長期目標要綱』の精神にしたがい、適度の財政引
き締め原則に基づいて編成したもので、赤字は前年度よ
り一〇〇億元圧縮された。但し、予算の執行過程で、状
況がかなり変化しており、わが国の経済に対するアジア
金融危機の影響は予想以上に大きく、政府が相次いで銀
行の預金と貸付の金利を引き下げ、融資を増やし、一部
の輸出商品に対する租税の還付率を引き上げるなど経済
成長を刺激する措置をうち出したが、昨年前半期の経済
成長率は依然として下降線をたどっていた。厳しい挑戦
に対して、中央はマクロコントロールの度合いを強め、
積極的な財政政策を実施することを決定した。昨年の六
月、第九期全国人民代表大会常務委員会第三回会議は財
政部が八〇億人民元にあたる国外債券を増発することを
承認した。八月、第九期全国人民代表大会常務委員会第
四回会議は、国務院が提出した一九九八年度中央財政補
正案を承認した。財政部が国有商業銀行向けに一〇〇〇
億元の国債を増発し、銀行も相応して一〇〇〇億元の貸
付けを行い、それを農業・林業・水利、交通・通信、環
境保全、都市と農村の送電ユニットの改造、食糧倉庫と
都市の公共事業などのインフラ建設に重点的にふり向け
た。これは投資を増やし、消費を拡大し、経済成長を押
し上げるために特定の時期にとられた特定の政策であっ
た。去年の実践が証明するように、この政策の実施は、
経済の成長を力強く押し上げ、昨年度の国民経済の成長
率を予定した目標にほぼ達成させるうえで決定的な役割
を果たし、また、投資構造と経済構造の調整、経済発展
の持続力の増強にも寄与した。これによって、財政赤字
と国債の規模がいくらか大きくなったが、通貨の過剰発
行にはならず、インフレを招来することもなく、その効
果がよいものであった。
代表の皆さん 一九九八年度の歳入の伸びはひき
つづき当年の経済成長率を上回り、国内総生産に占める
比重も前年度の一一・六%から一二・四%に引き上げられ
た。ここ数年来、この比重が逐次上昇し、これは税制を
規範化し、徴収・管理に力を入れ、法にもとずいて財政
を管理し、抜け穴をふさぐ結果であり、喜ばしい成績で
ある。去年、中央財政の支出構造の最適化に力を入れ、
改革、発展、大局の安定に係わる支出項目を重点的に保
障した。第一に、インフラ建設への投入を増やし、中央
財政の基本建設支出が前年度より九〇・七%増え、そのう
ち、農業・林業・水利事業の基本建設支出が一・五倍増で
あった。第二に、国有企業の一時帰休者の基本生活費と
定年離・退職者の養老年金が期日通り全額給付されるた
めに、中央財政は支出増加、欠損補填等の方法を通じて
、補助資金と借款を合計一六八億元の支出を計上した。
第三に、食糧流通体制の改革を推し進めるために、中央
財政は食糧の政策的補助に用いられる支出を前年度より
一〇二億元増やし、そのうち、食糧リスク基金三四億元
を増やした。第四に、科学と教育による国家振興の戦略
を実施するために、昨年から、中央財政レベルの支出に
占める教育費支出の比率を三年連続毎年一ポイントずつ
引き上げ、また、科学技術発展基金を設け、知識イノベ
ーションプロジェクトをスタートし、国の重点科学研究
プロジェクトへの投入を増やした。一九九八年度の中央
財政の教育と科学事業費支出は対前年度比、それぞれ三
七%、二七・九%増となる。第五に、洪水防御・災害救助
に力を入れ、洪水等各種の災害救助費を合計一三〇億元
余り計上した。上記支出の一部は予算資金と国債の増発
により解決したほか、一九九八年度中央の歳入が予算を
上回る一七四億元も主として上記のいくつかの面に用い
られた。
そのほか、企業の負担を軽減するため、企業にか
かわる政府管轄の基金と料金を整理し、三回に分けて不
法かつ不合理な基金と料金項目を取り消した。
以上の成果を認めながらも、予算執行において無
視できない問題が幾らか存在していることも見逃しては
ならない。第一に、財政・経済法規・規律違反状況がか
なり広く見られている。一部の地方政府と部門が料金を
不当に徴収する現象がかなりひどく存在し、料金徴収に
より税金が食い込まれ、国家税源の大量流失さえ招いて
いる。一部のノンバンク及び企業における収入の秘匿、
脱税、二重帳簿、「私設金庫」および派手好み等の問題
はかなり目立っている。これらの問題は経済秩序をひど
くかき乱し、腐敗をはびこらせ、党と政府のイメージを
損なわせ、大衆の強い不満を引き起こしている。第二に
、国内総生産に占める歳入の比重がいくらか高くなって
きたが、総体的レベルは依然として低く、多くの財政的
性格をもつ資金が予算外に遊離しており、規範化された
管理と必要な監督が欠けているため、歳入の増加を制約
している。第三に、財政支出の構造がまだ合理的でなく
、中央財政の受け持つ面があまりにも多く、企業や社会
や個人が引き受けるべき支出までも中央が負担している
。そのため、財政が保証すべき重点的な支出が困難に陥
り、一部の地方では賃金の支給さえ保証できない。これ
らの問題に対して、われわれは財政・経済秩序の整頓に
力を入れ、反腐敗闘争をほりさげて展開し、財政・税務
体制改革をたえず推し進め、真剣に解決しなければなら
ない。
二 一九九九年度中央と地方の予算案
一九九九年はわが国の歴史的発展過程における特
別な意義をもつ年である。党中央、国務院は、ひきつづ
き内需を拡大し、積極的な財政政策を実施することを決
定した。これは国内外の経済状勢を総合的に分析し、経
済社会の発展における各方面の利害を考慮したうえで打
ち出した慎重な決定である。
改革、発展と安定という大局から見て、今年度は
どうしてもやらなければならない重要事項が多く、いず
れも財政予算に計上されなければならない。
(一)ひきつづきインフラ建設への投資を増やす
こと。去年から、国は新たに一群のインフラプロジェク
トに着手した。これらのプロジェクトが期限通りに竣工
し、その効果が発揮されるよう保証するためには、中央
財政が前年度の投入をふまえてさらに二五〇億元を追加
投入する必要がある。
(二)農業・林業・水利と生態環境保護への投入
にいちだんと力を入れること。今年の増水期までに、長
江、黄河、嫩江、松花江の本堤の修復、補強の任務をや
り遂げなければならない。同時に、生態環境を保護し、
持続的発展を実現させるためには、長江、黄河の中・上
流及び東北の森林区において自然林保護プロジェクトを
ひきつづき遂行しなければならない。そのため、一九九
九年度には中央財政が農業・林業・水利への投資を約三
〇〇億元増やすことにする。
(三)積極的に輸出を助成し、輸出における租税
還付率をさらに引き上げること。今年は機械設備や電気
製品、電子製品、アパレル製品など二〇種類の製品の輸
出における租税還付率をひきつづき引き上げ、総合的租
税還付率を平均して二・五六ポイント引き上げ、輸出に
おける租税還付額もそれに見合って増やすことになる。
(四)軍隊、武装警察部隊、公安・検察・司法機
関がビジネスを行わないという党中央の決定を全面的に
実施すること。この決定は、軍隊と政権の強化、社会主
義市場経済秩序の保持、反腐敗闘争の深化、国家の長期
的安定を保証するうえでたいへん重要な意義をもってい
る。中央の要求によって、軍隊、武装警察部隊、公安・
検察・司法機関が企業との関係をたち切れば、中央財政
は適当な補助を与える必要がある。そのうち、軍隊への
補助金に支出の正常な伸びを加えると、今年の国防支出
は一〇四六・五億元で、前年度より一二・七%増とする
。このほか、中央財政は税関、出入国検査部門の密輸取
締り経費と貧困地区における公安・検察・司法機関の装
備費及び事件処理経費を三〇余億元増やす。
(五)各項目の食糧・綿花政策を着実に実施する
こと。ここ数年来、農業が連続豊作を収めた。農民の生
産意欲を守るために、国は保護価格による食糧の買付を
制限しないという政策を実施している。中央財政は在庫
食糧備蓄費と利息の支払い、食糧リスク基金の計上、食
糧・綿花の輸出による欠損及び一九九二年以来の食糧累
積赤字の利息補填の負担などの支出は五〇〇余億元で、
前年度より六〇億元増とする。
(六)科学・教育による国家振興の戦略に力を入
れること。わが国の現代化建設を実現させるという目標
を達成するには、根本からいえば、科学技術の進歩と勤
労者の資質の向上に依らなければならない。今年度中央
財政レベルの教育事業費は二六億元を増やし、二一・四
%増とする。知識イノベーションプロジェクトと国の重
点的科学研究プロジェクトを支えるために、中央財政は
科学技術への投入を八・二億元増やし、九・五%増とす
る。
(七)移転支出の度合いを大きくし、地域経済の
協調した発展を促すこと。分税制財政体制の規定にもと
づいて、今年度中央財政は地方に対する租税還付の支出
を五六億元増やし、民族地区、経済未発達地区に対する
貧困扶助資金と移転支出を二二億元増やす。
(八)国有企業における一時帰休者の基本的生活
保障と再就職の活動をひきつづきりっぱに行うこと。今
年度中央財政は中央所属企業の一時帰休者の基本的生活
保障における財政の負担すべき資金をひきつづき計上す
ると同時に、比較的困難の多い中・西部地区と古い工業
基地に対し、地方財政が保障資金を全額計上した後に現
われた予算の不足分について、中央財政は特定移転支出
の方式で適当な補助を与える。
一九九九年度の中央財政支出を集計すると、前年
度の予算執行額より九四六億元増えるようになり、中央
財政収入が予定していた増加額四〇三億元を差引くと、
支出増加額は収入増加額を五四三億元上回る。それに計
算のベースとなる前年度の予算執行における収支差額九
六〇億元を加えるので、今年度の中央財政の赤字は一五
〇三億元となる。
積極的な財政政策を実施し、財政投資を増やすこ
とによって、インフラ建設を拡大させ、経済の成長を押
し上げるということは、特定の時期にとられた非常措置
である。これを続けてやらなければ、国内需要の拡大は
難航し、経済構造の調整がはばまれ、国民経済の安定成
長に支障を来たし、就業問題がさらに際立ち、税収も減
少し、財政がさらに困難に陥ることになる。経済の発展
と税収の増加につれて、財政赤字が次第に縮小され、財
政の債務償還能力もたえず増強されるであろう。
当面の経済と財政の情勢から見て、若干の財政赤
字と国債規模の拡大は、国民経済が許容できる範囲内の
ものである。推算によれば、今年度の財政赤字と累計国
債残高は当年度の国内総生産(GDP)に占める比重は
それぞれ約一・七%、一〇%であり、いずれも国際通常
の三%と六〇%の警戒線を下回っている。当面、銀行の
資金ポジションがかなり偏っているので、商業銀行向け
に若干の長期国債を発行することによって、一部の貯蓄
を投資に転じさせても、通貨の過剰発行を引き起こすこ
とはなく、銀行資金の運営効率の向上に役立つものであ
る。食糧等の主な農産物は豊富で、工業製品消費財は充
足しており、物価水準は比較的に安定しているので、イ
ンフレになることはない。もちろんわれわれは、わが国
に潜在的財政赤字と債務融資の規模がかなり大きくなっ
ており、社会保障と食糧欠損等による赤字がかなり大き
いことをも意識しており、財政赤字と国債規模を拡大す
る際には特に慎重でなければならない。根本的に言えば
、経済成長は社会投資と消費の増加に立脚するとともに
、輸出入の拡大と外資利用を積極的に進めることによる
ものでなければならない。したがって、積極的な財政政
策は特別な条件のもとで策定した特定の政策である。中
・長期的には、財政収支の基本的均衡という原則を堅持
し、適度の財政引き締め政策を実行し、財政赤字をきび
しく規制し、逐次縮小しなければならない。
中央が内需の拡大のために講じた積極的な財政政
策は、各地区を含む国民経済の各方面の経済発展の客観
的要請をすでに十分に考慮したうえで打ち出したもので
ある。地方はこの政策を真剣に貫徹実行し、その効果を
最大限に発揮させるよう確保することである。地方の予
算編成にあたっては、『予算法』の要請を厳格に守り、
重点支出の確保を前提にして、収支の均衡を実現し、赤
字予算を編成してはならない。
以上の状況に基づき、われわれは一九九九年度の
中央予算案を編成し、また一九九九年度の地方予算案の
編成を代行した。
(一)一九九九年度の中央予算の配分状況
一九九九年度の中央の歳入は五八八六億元で、前
年度の執行額より四〇三億元増やし、七・三%増とする
。そのうち、中央レベルの収入は五二八八億元で、前年
度の執行額より四〇三億元増やし、八・二%増とする。
地方から中央への上納収入は五九八億元で、前年度とほ
ぼ同じである。中央の歳出は七三八九億元で、前年度の
執行額より九四六億元増やし、一四・七%増とする。そ
のうち、中央レベルの支出は四一一一億元で、前年度の
執行額より九九〇億元増やし、三一・七%増とする。中
央の地方助成支出は三二七八億元で、前年度の執行額よ
り四五億元減らし、一・三%減とし、主として前年度の
国債増発によるもので、そのうち、一部は一括払いの地
方助成支出であるので、今年度の国債による支出は主に
中央レベルの運用に見られている。中央財政の収支を差
し引くと、赤字は一五〇三億元で、前年度の執行額より
五四三億元増とする。
説明を加えたいのは、前年度一〇八〇億元の国債
を増発した時にはすでに下半期であり、去年実際に給付
または使用されたのはその一部にすぎず、残りの部分を
繰越明許費とし、当初全国人民代表大会常務委員会に対
し、増発の国債を二年に分けて国家予算に組み込むよう
提案した。そのうち、五八〇億元を今年度の財政赤字に
繰り入れるつもりであったが、実際の作業の過程で中央
はこの部分の資金をすでに地方のプロジェクトに使用さ
れるようになり、地方の責任感を増強させ、資金の運用
効果の向上をはかるため、この国債資金を地方に貸付け
ることに決定、地方が逐年返還することになる。この資
金は中央レベルの支出でなくなったので、中央予算には
計上されず、中央財政の赤字に組込まない。
一九九九年度満期償還すべき中央財政の国内・国
外債務の元利は一九一二億元で、当年度の財政赤字一五
〇三億元を加えると、国内・国外債券の発行額は合計三
四一五億元となり、前年度実際に発行した国債より四七
六億元減となる。
そのほか、一九九九年度の中央政府の管轄する基
金収入の予算は一二一八億元(前年度からの繰越収入五
八億元を含む)、中央政府管轄の基金支出は一二一八億
元を計上する。
(二)一九九九年度の地方予算の配分状況
一九九九年度の地方の総収入は八七九九億元で、
前年度の執行額より六・一%増とする。そのうち、地方
レベルの収入は五五二一億元で、前年度の執行額より五
五三億元増やし、一一・一%増とする。中央からの租税
還付と補助金収入は三二七八億元である。地方の総支出
は八七九九億元で、前年度の執行額より六・七%増とな
る。そのうち、地方レベルの支出は八二〇一億元で、前
年度の執行額より五五一億元増やし、七・二%増とする
。中央への上納支出五九八億元で、地方財政の収支はバ
ランスがとれている。
一九九九年度中央と地方の予算案の集計状況は次
の通りである。全国の歳入は一兆八〇九億元を計上し、
前年度の執行額より九五六億元増やし、九・七%増。全
国の歳出は一兆二三一二億元で、前年度の執行額より一
五四一億元増やし、一四・三%増となる。
三 改革を深化し、管理を強化し、法によって財政
を管理し、一九九九年度の予算任務の達成に努める
一九九九年度の予算任務を達成し、財政面の諸活
動をりっぱにすすめることは、経済構造の調整を促進し
、諸項目の改革を支持し、国民経済の持続的で健全な発
展を保ち、社会の全面的な進歩を推進するうえで非常に
重要な意義をもっている。
(一)積極的な財政政策を真剣に貫徹、実行し、
財政投資をうまく管理、運用する。積極的な財政政策が
予期の効果をあげられるかどうかは、この資金をうまく
管理、運用できるかどうかにかかっている。インフラ増
設に使われる中央財政投資は、国務院の定めた投資方向
を厳格に実行し、決して重複建設をしてはならない。資
金配分では建設中の項目を優先させ、原則として一、二
年内に竣工し、効果を発揮させなければならない。工期
遅延で工事費の追加に迫まられ、手を引くに引けない情
況になってはならない。プロジェクトの関連資金を真剣
に捻出し、関連資金のメドのつかないプロジェクトに対
しては金額の控除や建設項目の削減を行う。建設資金に
対する特別の監督・検査を強化し、資金の食込み、流用
と損失・浪費を厳重に防ぐ。どのプロジェクトでも質を
最優先させ、厳格に基本建設のプログラムにしたがって
事を運び、統一的に計画し、科学的に論証し、綿密に設
計し、プロジェクトの法人責任制、入札制、工事の監理
制、契約管理制を健全化させる。欠陥工事を根本的にな
くし、工事建設の質を確保する。工事の質に問題が起き
れば、資源と財政資金の莫大な浪費をもたらすだけでな
く、人民大衆の生命・財産の安全にもひどい損害を与え
、これはゆゆしい違法犯罪行為である。したがって、工
事の質による事故や、財政投資の食込み、流用の責任者
に対しては、断固法的処分を加えなければならない。
(二)租税・料金徴収の改革を鋭意推進し、財政
・税務体制の完備、規範化をはかる。租税・料金徴収の
改革は、当期政府の施政目標の一つで、財政・税務体制
改革の重点でもある。今、料金を徴収する(基金)名目
があまりにも多く、混乱した状態にあり、社会諸方面の
負担を重くし、人民大衆のひどい不満を引きおこしてい
るだけでなく、分配関係と分配の秩序をかき乱し、財政
収入を侵食し、いくど禁じてもあと絶たない各種の「私
設金庫」の元凶となっている。したがって、料金徴収制
度改革のステップを速めなければならない。
料金徴収制度改革の全般的構想は次の通りである
。第一、政府機能を転換させて公共財政を逐次うち立て
るという要求に基づき、政府が公共管理を行う際に徴収
していた管理費と広域公共サービスを提供するために徴
収していた管理費を廃止し、その必要とする費用は財政
予算で統合的にまかなう。第二、市場経営の性格を帯び
るサービス部門の料金を営利的な料金徴収に改め、その
所得については法によって税金を徴収する。第三、政府
が一部の重点産業や重要事業の発展を支持するために設
立した、税金の性格を帯びる政府の管理する基金または
、特別的な料金を相応の租税に改める。第四、政府が社
会に対して特定の管理を行うための料金または特別的な
サービスの提供や国有資源の有償使用における必要な料
金徴収を保留し、これについて規範化した財政管理を実
行する。
総合的に計画し、段階に分けて実施するという原
則にのっとり、今年度は交通・車両の料金徴収の改革を
突破口として、不合理な料金を整理、整頓、廃止すると
ともに、合理的な料金を法定の税金と規定の料金として
規範化する。調査と研究をふまえて、農村における租税
・料金徴収改革のプランニングとテストを行い、農民の
負担過重の問題を着実に解決し、さらには、都市建設、
社会保障、環境保全などの分野で租税・料金徴収の改革
を実行する。料金徴収制度全体の改革は、三年ないし五
年かかって完遂するよう努める。
『遺産相続税法』、『燃料油税暫定条例』、『車
両購入税暫定条例』の研究・起草に力を入れ、『個人所
得税法』を改正する。移転支出のやり方をいっそう規範
化し、移転支出の要素を適切に調整、補充し、移転支出
の規模を拡大し、中・西部地区および古い工業基地に対
する移転支出にもっと力を入れる。
(三)租税の徴収・管理を強化し、財政収入の安
定した伸びを確保する。自己申告と優れたサービスを基
礎とし、計算機ネットワークを拠り所として、集中的に
徴収し、重点的に検査する租税徴収・管理システムをい
っそう完備させなければならない。税収についての宣伝
活動は租税徴収・管理の重要な内容の一つであり、全人
民の納税意識を強め、科学的で効果的な租税徴収・管理
システムの樹立を促進する。「租税の徴収・管理を強化
し、抜け穴を塞ぎ、腐敗を懲罰し、滞納を整理・追徴す
る」という方針をひきつづき真剣に貫徹、実行し、越権
による租税の減免を堅く禁じ、滞納の整理に力を入れ、
延納を厳しく抑制する。租税徴収面の優遇策を整備、調
整し、優遇の期間を終えたものに対してはすべて徴収を
回復する。消費税の徴収範囲と税目・税率を合理的に調
整し、タバコについては、税込価格の審査・決定による
消費税徴収の方法を全面的に推し広める。加工貿易に関
する租税徴収政策を完備させ、規範化する。租税の徴収
、管理から漏れた業者をひきつづき整理し、全国的な伝
票検査を広げ、法によってさまざまな脱税や税のごまか
しを取締まらなければならない。典型的な事例を選んで
それを公表し、戒めとする。条件が整ったときに、税務
警察を設立し、租税に係わるさまざまな犯罪行為に厳し
い打撃を与え、国の税法の権威を守る。
(四)財政の機能を転換させ、支出構造を最適化
し、公共財政の基本的枠組を打ち立てる。社会主義市場
経済の条件における財政の機能は主として、社会の公共
需要を保障し、資源配分を最適化させ、マクロ経済の運
営をコントロールし、公平な分配を促進し、地域の経済
社会発展の調和をはかるなどの諸方面に具現される。わ
が国の現行財政の機能は計画経済体制から移り変わって
きたものであり、体制転換期における過渡的特徴がかな
り顕著であり、社会主義市場経済体制確立の要請から見
て、適応しないところが多く存在しているため、政府機
構の改革と機能転換と結合して現行の支出構造を調整し
、その最適化をはかり、公共財政の基本的枠組を逐次に
打ち建てなければならない。
支出構造の調整と最適化にあたっては、支出の性
格と内容を区分し、重点を突出させ、確保すべきものは
確保し、圧縮すべきものは圧縮しなければならない。今
年度から各段階の財政は生産経営的基本建設投資と一般
的な技術改良投資を減らさなければならず、少数の特殊
な業種を除き、原則として事業体の経費を三分の一削減
して、削減された資金は国有企業の一時帰休者の基本的
生活費と再就職の経費、および食糧リスク基金など当面
緊急に必要とする重点支出に当てなければならない。
(五)財政・経済秩序を整頓し、財政・経済法規
・規律を厳格にして、法による財政管理を実現する。江
沢民総書記は最近、全党が経済活動規律、とりわけ財政
・金融活動規律を強化しなければならないと強調した。
財政・金融分野の規則・制度と規律・規範の健全化に力
を入れ、各級の党・政府指導機関と指導幹部はすべて財
政・金融活動制度を厳格に遵守しなければならない。わ
れわれは江沢民総書記の指示を真剣に貫徹し、当面の財
政・経済活動の現実とにらみ合わせて、確実に下記の活
動をしっかり行なわなければならない。第一に、財政に
関する法規・制度の確立、健全化をはかること。『会計
法』、『登録会計士法』、『財政監督条例』など重要な
財政法規の改正と起草を急がなければならない。証券会
社、銀行などの業種の会計制度を告示、実施し、企業会
計、会計士事務所、会計監査、財政、監察特派員を結合
した企業財務監督のシステムと会計情報内容の適正検査
と公表制度を打ち立てる。軍隊、武装警察部隊、公安・
検察・司法機関がビジネスを行なわないこと及び中央の
党・政府機関が設立した経済的実体や管理していた企業
と分離した後の企業財産権の帰属や変更に関する管理方
法を研究・策定し、国有企業と集団所有制企業の資本金
統計・報告制度を樹立、健全化し、資産評価業種の分離
独立とシステム転換を行ない、評価機構の格付け管理方
法を実行する。第二に、財政の監督・検査活動を強化す
ること。企業のシステム転換、資産再編、中・小型企業
の売却などによる財産権変更の規範化、監督・規制を確
実に強化する。予算の監督を厳しくして、財政資金に関
する申請、立案、支給、運用効果など各段階における監
督・管理を強化する。予算外資金の管理と監督を強め、
すべての予算外資金をことごとく財政の特別口座に組み
入れ、収支の「二本立」のやり方を実行する。それと同
時に、料金の徴収・管理機関、法律執行部門、金融機構
、仲介機構および重要な支出項目に対し、監督・点検を
強化する。第三に、処罰を厳しくする。法に基づいてさ
まざまな法規違反行為を断固として摘発、処分し、事件
の処理と個人責任の追及とを結びつけ、行政的処分と法
的処罰とを結び付け、内部通報とマスコミへの公表とを
結びつける。根本的にいえば、財政管理の強化は、法に
よる統治の道を歩み、法による財政管理を実行し、財政
管理を厳しくしなければならない。
(六)いかなる事業をも勤倹の精神でやりぬき、
派手好みや浪費の行為に反対する。刻苦奮闘、勤倹節約
で国家を建設することはわが党と国のすぐれた伝統であ
り、経済と財政活動が長期にわたって堅持すべき方針で
ある。新しい環境と情況のもとで、この方針は少数の指
導幹部を含む一部の幹部の脳裏に薄らいで来ており、経
済活動において派手に振る舞い、豪勢を張り、享楽を競
い合う風潮が芽生えて、はびこっており、これに対し重
大視しなければならない。各地域、各部門は刻苦奮闘、
勤倹節約の観念をしっかり樹立し、断固として派手好み
や浪費に反対し、あらゆる方策を講じて節約できる支出
を節約しなければならない。昨年度以来、積極的な財政
政策を実行し、財政投資をかなり大幅に増やしたが、こ
れは財政赤字の増大という代価を払っているので、絶対
にあらっぽい金遣い方をしてはならず、反対に、人民に
対して高度の責任感をもって、資金を立派に運用し、「
重点支出には重点的に浪費する」ことを断固防げなけれ
ばならない。すべての財政支出は、綿密に計画し、節約
励行して、限られた資金を「肝心なところ」に用いて、
最大の使用効率を発揮させるべきである。財政支出の管
理制度を改革し、ゼロ・ベース予算制度と政府による買
付制度を早期実現し、根底から、制度の面から抜け穴を
塞がなければならない。
財政部門は政府のマクロ規制部門であり、財政収
支の管理、予算執行の手配という重要な職責をになって
おり、ぜひとも江沢民同志の指示にしたがい、学習を重
んじ、政治を重んじ、正義を重んじ、政治規律、組織規
律、経済規律と大衆規律を厳格に執行しなければならず
、ぜひとも全局に服従し、全局に奉仕し、改革、発展と
安定の関係を正しく処理しなければならず、ぜひとも機
能を転換し、作風を転換し、実際に立入って調査・研究
を行ない、大衆の声に耳を傾けて、大衆の苦しみに関心
を寄せなければならず、ぜひとも法に基づいて事をはこ
び、大胆にことを処理し、情実にとらわれず、断固とし
て法規と規律に違反する現象とたたかわなければならな
い。
代表の皆さん 一九九九年度の財政活動の任務は
かなり重い。われわれはケ小平理論の偉大な旗じるしを
高く掲げ、江沢民同志を中核とする党中央のまわりにし
っかり団結して、思想を統一し、自信を固め、チャンス
を逃さず、困難を承知の上で前進をはばからず、一致団
結し、刻苦奮闘し、予算任務の達成を確保して、すばら
しい成果をもって建国五十周年を迎えよう。
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