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北大西洋条約機構(NATO)による中国駐ユーゴスラビア
大使館襲撃で死亡した中国人記者朱頴の父親は10日、ベオグ
ラードからクリントン米大統領宛てに「チェルシー(クリント
ン大統領の娘)の父親クリントン大統領へ」と題する手紙を書
いて送った。手紙の全文は以下の通り。
クリントン先生へ
私は一人の中国人であり、二人の可愛い娘、一人の娘婿がい
る父親です。今、ユーゴスラビア首都ベオグラードで貴方に手
紙を書いています。今日、貴方の指導するNATOの中国大使
館襲撃により命を奪われた長女朱頴とその夫許杏虎の遺体と対
面しましたが、娘と娘婿が殺された惨状を目の当たりにして、
悲しみに耐えることができませんでした。私は幸福な家庭を持
ち、二人のきれいな娘は非常に親孝行でした。町を出るとき、
長女は私の一方の腕、次女はもう一方の腕を組んで歩き、近所
の人たちからうらやましがられたものです。長女朱頴は就職し
たのち、最初の給料でいい電気カミソリを買ってくれ、養育し
てくれた恩に報いたいと言ってくれました。彼女は1997年
の秋に結婚したばかりで、われわれ家族はよく一緒に食事をし
、食卓はいつも楽しい雰囲気に包まれ、笑い声が絶えませんで
した。貴方が奥様や娘のチェルシーさんとご一緒のときも、き
っとこのように楽しく過ごされることと想像いたします。とこ
ろが、いま私は、娘と娘婿の遺体しか目にすることができませ
ん。彼らは私に二度と笑いかけることもなければ、あいさつす
ることもない姿で、私のそばに戻ってきました。これらのこと
に思いを馳せますと、手が悲しみに震え、手紙を書き続けるこ
とができません。娘朱頴はまだ27歳でしたが、彼女と夫は貴
方に対し、何か邪魔になることをしたのでしょうか。中国大使
館に住んでいる中国人記者だからということなのでしょうか。
貴方と貴方が率いるNATOはなぜ中国大使館を襲撃したので
しょうか。私と妻は、彼らの住む中国大使館は最も安全な場所
だと思っていましたが、貴方と貴方の指導するNATOがあえ
て中国大使館を襲撃するなんて、思いも寄りませんでした。
貴方の爆弾の攻撃を受けて、何の理由もなく二人の若者の生
存の権利が奪われてしまいました。妻は北京の自宅でひたすら
涙を流し、私たちの帰国を待っています。ですが、一体何を待
てばいいのでしょうか。遠く離れた江蘇省の田舎に住んでいる
娘婿の母親は、この凶報を耳にし、気が遠くなってしまい、麗
しいはずの生活は一瞬のうちに天がくずれ地が裂けるように失
われてしまいました。貴方によってもたらされたこのような惨
劇を前にして、貴方は一人の父親として、人間として、また一
貫して人権を主張する人として、どうお考えなのでしょうか。
手紙をお受け取りになった後、できればこの手紙を英訳して
アメリカの新聞に掲載していただきたい。中国人も、アメリカ
人と同様に幸福な生活を失うことを望まず、また同様に生存の
権利が擁護されているということを心から理解していただきた
い。また我々の血はむだに流されるためにあるのではなく、中
国人は侮辱を受けるために存在するのではないということを肝
に銘じていただきたい。
貴方はじめ奥様、娘のチェルシーさんご家族一同のご健康を
祈りします。
朱頴、許杏虎の父親 朱福来
1999年5月10日ベオグラードにて
「人民日報」 1999年5月13日2面
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