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コソボ問題とNATOの中国大使館襲撃事件について中国側
の立場を説明
朱鎔基中国国務院総理は5月12日、人民大会堂にて、シュ
レーダー・ドイツ首相と会談を行い、コソボ問題と中国駐ユー
ゴスラビア連邦共和国大使館がNATOのミサイルに襲撃され
た事件について、中国側の立場を全面的に説明した。
朱鎔基総理は、シュレーダー首相が中国に対し公式訪問を行
い、コソボ問題を討論することに歓迎の意を表明し、シュレー
ダー首相が訪中前にNATOのミサイルが中国駐ユーゴ大使館
を襲撃したことに対し驚きと憂慮を表するとともに、ドイツを
代表して謝罪を行い、NATOに対しこの事件の調査を要求し
たことに留意したと語った。
シュレーダー首相はドイツ政府と人民を代表して、中国駐ユ
ーゴ大使館がNATOのミサイル襲撃を受けたことについて、
中国政府と人民に心からの遺憾の意を表明し、ふたたびこの事
件の犠牲者の遺族と中国人民に無条件で謝罪を表明した。同首
相は、NATO加盟諸国はこれに対し共通した責任を負うべき
であるとし、自分もNATOを代表して同様な表明をしたいと
述べた。またNATOも保留なしで徹底的にこの事件の真相を
調査するとともに、調査結果を一般市民に公開しなければなら
ず、これは私と私の同僚たちの共通の立場であると語った。
シュレーダー首相は、先週ボンで8カ国の外相が採択した声
明を紹介し、説明を行った。同首相は、中国駐ユーゴ大使館襲
撃事件の発生後、コソボ危機解決の情勢はさらに複雑化してお
り、現在、できるだけ早く政治解決の手段を探し出さなければ
ならず、これ以外の選択肢はないと強調した。また、中国がコ
ソボ危機解決の過程において中国自身の役割を発揮するよう希
望した。
朱鎔基総理は、コソボ問題とNATOのミサイルによる中国
大使館襲撃事件について中国側の立場を全面的に説明し、NA
TOがユーゴ連邦への爆撃を停止してはじめて、コソボ問題の
政治解決を語ることができると強調した。
朱鎔基総理は次のように指摘した。
1、われわれは、コソボ問題はユーゴスラビア連邦共和国の
内政であると一貫して見ている。ユーゴ国内の民族、宗教矛盾
には長い由来があり、複雑に絡み合っているので、平和的な手
段でこれらの問題の政治解決を求めていくほかない。中国はコ
ソボ危機の平和的解決を一貫して主張し、NATOの武力行使
に断固として反対するとともに、外部からの軍事関与は問題の
解決に役立たないばかりでなく、逆に複雑化させるものであり
、武力で訴えるのは大変危険であると警告する。
2、アメリカをはじめとするNATOは国連安保理の授権を
得ないままユーゴ連邦に対し軍事的打撃を行っており、これは
国連憲章と国際法原則にゆゆしく違反するものである。われわ
れは当初からこの方法に賛成しておらず、非難を表明する。
3、この50日間、アメリカをはじめとするNATOのユー
ゴ連邦に対する野蛮な爆撃は、数多くの罪のない庶民に死傷を
もたらし、数十万もの難民を離散させ安住の地を奪うものであ
った。この「人道の保護」という名義をもって進行させている
戦争は、戦後のヨーロッパにおいて最大の人道主義に背いた災
難をもたらすものとなった。
4、NATOの爆撃は日に日に勢いを増しているばかりでな
く、中国駐ユーゴ大使館へのミサイル襲撃を公然と行い、人員
の死傷と大使館舎の破壊をもたらし、中国の主権をゆゆしく侵
害した。中国政府と人民はこのような野蛮な暴行に対し極めて
大きな憤慨を表明する。いわゆる「誤爆」は中国人民に信じら
れていないばかりでなく、諸外国の世論も信じてはいない。わ
れわれは、ミサイルによる襲撃事件に対し徹底的に調査を行い
、調査の結果を公表し、首謀者とその張本人を厳重に罰するこ
とを要求する。
5、中国政府は一貫してコソボ問題の政治解決を主張し、国
連が政治解決の過程においてしかるべき役割を果たすことを支
持している。中国側は8カ国グループ外相の声明に留意してい
る。われわれは、当面の政治解決には、NATOが爆撃を停止
し、政治解決のために必要な条件をつくり出すことが必至の前
提であると見ている。爆撃を停止しない限り、政治解決を語る
こともできない。中国は安保理常任理事国として、安保理によ
っていかなる政治解決案が討論されたとしても、爆撃が続行さ
れている状況下では決して賛成しない。さらに、コソボ問題に
関するいかなる安保理決議、いかなる安保理の政治解決案も、
必ず当事者の主権国としてのユーゴスラビア連邦共和国の同意
を得なければならない。同意を得ていない案の決議を実行に移
すことはできず、実質的意義もない。
6、われわれは、アメリカをはじめとするNATOがユーゴ
連邦に対する爆撃をただちに停止することをもう一度要求する
。われわれは、NATOのユーゴ連邦に対する野蛮な爆撃を制
止するため、コソボ危機の早期解決のため、ドイツを含む世界
のすべての平和を愛する国と人民が積極的な努力と貢献をして
いくよう呼びかける。中国は一貫してコソボ危機の政治解決を
主張しており、現在も引き続き政治解決に取り組んでいる。
「人民日報」 1999年5月13日1面
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