中国経済成長の減速傾向はほぼ停止すると専門家が予測


 中国社会科学院で「中国経済情勢の分析と予測」をテーマと
した研究を行なっているグループはこのほど、1999年秋季
のレポートを発表した。それによると、中央政府による一連の
政策および措置が実施されたことにより、今年年初に定められ
た7%の経済成長の目標は、実現が可能であり、また中国経済
の減速傾向はほぼ停止すると予測されている。

 同リポートではまた、次のように指摘している。

 今年に入ってから、経済成長が再び下降局面へと突入する可
能性があったが、中央政府は、消費者の需要を刺激するために
、必要かつ全面的な措置を適時に実施した。それによりマクロ
経済に前向きの兆しが現れるとともに、工業においても成長の
テンポが回復し始め、工業製品の在庫量が増加、価格指数の下
降が鈍化し、7月以降の輸出はプラス成長に変わっている。

 1、経済成長率について。現時点のマクロ規制政策の方向と
度合いによると、第4・四半期および2000年に大きな変化
が起こらず、今後も拡張的な財政政策が引き続き実行され、同
時に国際的な経済状況が次第に回復し大きな蒸し返しが出現せ
ず、国内において大きな自然災害やその他の事件の発生がなけ
れば、今年の中国における国民経済の成長率は年初定められた
7%の目標を上回り、昨年の成長率に近い7.6%程度となり
、2000年の成長率は依然として7.5%から8%の間で推
移するであろう。そのうち、農業における成長率は3.5%前
後、第二次産業の成長率は9%前後、重工業は軽工業よりやや
成長のテンポが速く、第三次産業の成長率は7%よりやや高い
水準に保たれると見ている。

 2、固定資産投資について。1999年の投資額は3兆13
00億元、2000年には3兆4100億元に上ると見られ、
実際の増加率はそれぞれ10.3%、8.5%となる。投資の
増加率は高いとは言えないが、投資率は一段と上昇することは
、注目すべき問題である。

 3、物価の傾向について。拡張的財政政策および消費者の需
要を刺激するための関連政策が引き続き実行されれば、それら
の措置は明らかに需要促進の役割を果たすと見られる。今年、
各種の価格指数の下降はいずれもいくらか鈍化する見込みだが
、2000年には各種の価格指数は下げ止まり、回復の兆しが
見えるであろう。政府のマクロ規制の度合いが適度であれば、
価格の上昇幅はさほど大きくはならない。今年および来年にお
ける商品の小売価格の年間変動率はそれぞれ−3.0%、0.
1%と予測され、商品の小売総額の伸び率は今年および200
0年において、それぞれ10%、9.4%となり、回復基調に
なる。

 4、収入と支出について。国家による収入分配政策の調整後
、都市部住民の収入は明らかに上昇するが、農村部の住民の収
入増は都市部住民と比べて低いだけでなく、増加の速度も鈍化
する可能性がある。政府は引き続き拡張的な財政政策を実行す
るため、今年の財政支出の増加率は、財政収入の増加率を上回
っている。2000年には財政収入と財政支出の増加率は互い
に近づくこととなる。住民による貯蓄残高も依然として若干増
加すると思われるが、増加率は過去数年と比べて低く推移する
であろう。これは銀行が預金利息を連続的に引き下げ、また利
息税の徴収が開始されたなど、金融政策の調整と関係がある。

 5、対外貿易について。貿易の状況は割と複雑であるが、現
時点では、既に前向きの兆しが現れている。今年および200
0年の輸入の伸び率は、輸出の伸び率を上回るものと見られて
いる。しかし輸出は依然として上昇傾向にあり、貿易の全般的
枠組みには一定量の出超があると見込まれている。

 「海外版」 1999年11月9日2面