日本の石油最大手、新日本石油が中国事業の拡大を速めている。新日石と中国石油化工公司が合弁会社「中石化日石(広州)潤滑油公司」を設立することが29日、明らかになった。新日石にとっては中国で設立する2社目の潤滑油メーカーとなる。
新会社の資本金は約1500万ドルで、出資比率は中国石油化工が50%、新日石が40%、日本の明和産業が10%。9月に設立し、2006年から操業を開始する予定で、潤滑油の年間生産量5万リットルを目指す。
新会社の設立が中国の潤滑油業界に影響をもたらすのは必至だ。筆頭株主となる中国石油化工は中国三大潤滑油会社の一つ、長城潤滑油公司の親会社でもある。新日石は1995年に中国石油化工系列の燕化集団と合弁会社「天津日石潤滑油脂公司」を設立し、潤滑油年間2万5千トンを生産している。新会社の誕生により、中国石油化工の国内市場における地位は高まるとみられ、中国石油化工系列の長城潤滑油、中国石油系列の崑崙潤滑油、統一潤滑油からなる三大大手の勢力図に変化が出る可能性もある。
同時に、自動車業界への影響も予想される。中国の日本系合弁自動車メーカーはこれまで、出光興産や天津日石潤滑油脂公司の潤滑油を採用してきた。中国資本系潤滑油メーカーである崑崙と統一もこれまで日系自動車メーカーへの市場拡大を狙ってきたが、新たな日系合弁会社の設立により、望みがほぼ立たれた形だ。(編集MM)
「人民網日本語版」2004年8月30日