ロックコンサート、「縦ノリ」震度4 揺れる大阪ドーム


  大阪ドームは地震の震源地!? 大阪ドーム(大阪市西区)で開かれるロックコンサートの観客がリズムに合わせ跳びはねる「縦ノリ」が、「地震並みの振動を起こす」と周辺の住民からブーイングを浴びている。運営する大阪市の第三セクター「大阪シティドーム」はドル箱イベントの開催の維持と住民理解の両立に腐心してきたが、人気ロックバンドGLAYが来春のドーム公演を断念する事態になっている。

  GLAYは来年2月から「全国5大ドームツアー」を計画していたが、大阪だけはドームをあきらめ、別会場で開くことにした。所属事務所は「収容客数も減る苦渋の選択だが、地元の意向を無視できない」。

  ドームで大みそか年越しライブを開いてきた矢井田瞳さんは、今年は開催を18日に繰り上げ、揺れにつながるグラウンド部分のアリーナ席の観客数を減らした。縦ノリの少ない選曲にする配慮までした。

  ドーム社によると、観客の縦ノリが地盤に伝わり、共振現象で地震のような振動を起こすらしい。他のドームでも発生するが、大阪ドームは住宅地と近いため被害は深刻だ。

  ドームから約800メートル北に住む男性は、ロックコンサートがあった02年元日の午前0時すぎ、突然大きな揺れを感じ、家から飛び出した。揺れの調査のため自宅に置いていた地震計は、震度3程度に相当する75デシベルを記録した。「繰り返されると建物に影響が出ないか不安だ」と言う。

  97年3月のドーム開業後、コンサートのたびに周辺では家がきしんだり、鍋から具材がこぼれたりする。「地震か」と驚く住民も多い。

  たまりかねた地元の千代崎連合振興町会は02年3月、「大阪ドームによる振動対策委員会」をつくり、ドーム側に改善を求めてきた。委員会の調査では、コンサートで最も揺れたのはGLAYで震度4〜3程度。矢井田瞳▽JUDY AND MARY▽B’zが震度3〜2程度で続く。客のノリがいいミュージシャンほど揺れが激しい傾向にあるという。

  昨年度、ドームでは12日間コンサートがあり、約51万人を動員した。満杯にできるスターは多くなく、同時多発テロ以降、海外のミュージシャンも減った。プロ野球の試合は本拠にしていた近鉄とオリックスの合併で来季は半減する。500億円を超える借金を抱え、裁判所に市や銀行団の債権放棄を求めて特定調停を申請しているドーム社にとって、日本の大物スターのコンサートは大事なドル箱イベントだ。

  地元の理解を得ようと、ドーム社は住民に事前に開催予定を伝え、観客にジャンプを控えるよう呼びかけてきた。02年9月のコンサートでは、アリーナ席に人工芝を敷き揺れを抑える実験をしたが、目立った効果はなかった。同社総務部は「事業維持のために人気ミュージシャンのコンサートは不可欠。何とか地域と共存共栄を図っていきたい」とするが、根本的な解決策は見つからない。

   「asahi.com」 2004年12月25日

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