六本木ヒルズのエレベーター、中越地震でワイヤ切断


  昨年10月の新潟県中越地震の際、東京都港区の六本木ヒルズ森タワー(高さ238メートル、地上54階、地下6階)で、エレベーターの鋼鉄製ワイヤ(直径約1センチ)の1本が切れていたことが、わかった。付近の震度は3程度だったとみられるが、タワーを管理する森ビルは、長周期地震動という周期が数秒から十数秒程度のゆっくりとした揺れにワイヤが共振して大きく揺れ、側壁の金具にひっかかったのが原因とみている。

  同社によると、当時、森タワーに67基あるエレベーターのうち、6基が機器が損傷したりワイヤが絡まったりして停止、うち2基で乗客1人ずつが一時閉じこめられた。このうち1基は、8本あるワイヤの1本が側壁にある電源・信号用ケーブルを留める金具にひっかかり、切れた。

  全67基に揺れを感知して緊急停止させる装置はついていたが、少なくとも異常のあった6基では長周期地震動を感知せず、運転は続いたが、最終的には非常時に作動する安全装置が作動し止まったという。

  地震後、同社は高層階用エレベーター28基にワイヤの揺れを抑える金具などを装着。エレベーター会社など4社と、対策を検討する共同研究も進めているという。

  日本エレベータ協会(東京都)によると、中越地震では、新潟県外でも乗客の閉じこめや機器の故障などのトラブルが発生した。だが、ワイヤが切れたのは森タワーのエレベーターだけだったという。同協会は「長周期地震動によるエレベーターへの影響は未知の部分が多く、備えは重要な課題だ」という。協会はワーキンググループを設け、対策づくりなどの検討を始めた。

  エレベーターの安全基準などを所管する国土交通省建築指導課によると、利用者が負傷したり、重大な危害が及ぶ恐れがあったりする事故以外は同省へ報告する義務はなく、今回の損傷をめぐり、日本エレベータ協会からの報告はなかったという。

  だが同省は、最新の高層ビルのエレベーターで、震度3程度の揺れでワイヤが切断された事態を重視する。同省の社会資本整備審議会は、地震の際にエレベーターが自動停止、運転再開する基準について、早急な運転再開のため現行の震度4程度から震度5弱程度に引き上げる方向で検討を進めているが、仮に震度3程度の揺れでワイヤが切断したとすれば、基準の引き上げに慎重にならざるを得ないからだ。

  ただ、同課は、切断の原因を長周期地震動そのものの影響より、エレベーター昇降路内の金具の配置などが関係したのではないかとみている。

  「asahi.com」 2005年8月31日

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