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  更新時間 :2006年05月25日09:34 (北京時間) 文字

反日デモを通して学んだ日本語教師の使命


  抗日戦争勝利六十周年を迎えた今年、国連安保理常任理事国入りをはじめ、小泉首相の靖国参拝や、歴史教科書の問題、東海における資源開発などが発火点となって、くすぶり続けていたナショナリズムが一気に火をふいた。充分な相互理解を欠いたまま、うわべだけの「中日友好」を唱え続けてきたために、些細なことで憎しみや反日・反中感情へとつながったのではないだろうか。

  反日の嵐が吹き荒れていた頃、私は大学の社会人コースで日本語を教えていた。大学側からの指示通り、非合法な反日デモへの不参加を呼び掛けた時、学生たちは日本について正しい現状認識を持っているのだろうか、と一抹の不安を感じたものだ。生半可な知識では虚実入り交じったネット上の書き込みに惑わされ、屈折した愛国心をうえつけられかねない。日本人にしたところで、中国に対する理解がなければ、同じことである。投石や打ち壊し、それを黙認する警官、拍手と笑顔で見守る市民。こんな映像ばかり見せ付けられるのだ。メディアへの信頼度が高いだけに、反中感情をかきたてられるに違いない。

  「相互理解が不十分なのは、両国の現状について、教師たちが何も教えていないからだ。」耳を澄ますと、そんな声が聞こえてきそうである。相互理解のための「異文化間のコミュニケーション」とはどうあるべきか。日頃親しくしていただいている日本人の先生に伺ってみたところ、こんな答えが返ってきた。

  「『地球』という一つ屋根の下に、赤の他人が同居しているんだもの。何かといざこざが絶えない方がむしろ自然じゃないかしら。大切なのは累卵のような人間関係だという危機意識を持つことなのよ。その上で、コミュニケーションのあり方を考えるべきだと思うわ。『赤心を推して、人の腹中に置く』、これこそが異文化間コミュニケーションの基本理念よ。人と接する時には真心を持ち、いささかの隔りもおかない。赤心を持ってすれば、日本人であれ、中国人であれ、お互いの心をつなぎあえると思うの。」

  目から鱗が落ちた。中日両国民の間に欠けているのは、「危機意識」と「赤心」なのだ。「われわれ自身の内部から平和の種子を見いださねばなりません」とは、周恩来元総理の名言である。「平和の種子」とはまさに「赤心」ではないだろうか。

  中国の日本語学会では、言語学研究が花形で、文学や比較文化となると、影が薄い。こうした風潮を背景に、「言語指導二文法の解釈」という図式が定番化し、学歴偏重主義とあいまって、試験のための丸暗記一辺倒メソッドからぬけだせずにいるのである。日本語を学ぶ学生の多くは、やがて日系企業の通訳となる。通訳と言えば、中国人従業員と日本人管理者の間を取り持つ、いわば「潤滑油」だ。しかし、今のような日本語教育では、そんな重責を担いうる人材など育つはずもない。日本人に対する偏見や先入観をとりさり、そのうえで中国人を理解してもらう努力をする。その手助けをする日本語教育こそが、今もっとも求められているのではないだろうか。たとえば、日本の流行歌を教えてみてはどうか。「流行歌」とは、庶民のいつわらざる心や情念を映し出す鏡である。日本人をゲストにまねき、なぜ中日は分かりあえないのか、とことん話し合ってみるのもいい。知らないことだらけだということに気付くだろう。

  私も大学を卒業すれば、日本語教師として第一歩を踏み出すことになる。もしだれかに問われたならば、私はすこしも逡巡することなく、こう答えるだろう。「日本語教師の使命とは、日本語を学ぶ中国人の心の中に平和の種子を植え続けることだ」と。(天津外国語学院 徐 美)

  特別提供:日本僑報社・日中交流研究所 http://duan.jp



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