中日関係のステレオタイプ


  昨日、今日本でベストセラーになっている「国家の品格」を読み、「ステレオタイプ」という言葉が心に残っていた。ステレオタイプというのは、日常生活において、マスコミなどから与えられる一面的な固定的な考えのことである。そして、人々はこのステレオタイプによって世の中を色眼鏡でみるのである。われわれはしばしばいろいろなステレオタイプに陥ってしまう。

  私はふと先日出会ったある知りあいのことを思い出した。彼女は背が高くて体格が良く、性格も朗らかで、とても活発な人である。それに、きれいな標準語で話し、大部分の学生のような南部地方の訛りはちっともないのである。誰もが彼女を北部地方の人だと思っていた。しかし、驚いたことに、彼女は香港人なのである。どうして驚いたかというと、わたしたちは、香港では国語の教育があまり十分に行われていないので、香港の人は国語が下手だと思っていたからである。これもひとつのステレオタイプといえるのではないか。

  生活ばかりではなく、教育にも経済にもさまざまなステレオタイプがある。例えば、海外に留学した人は必ず国内の大学卒業生より優秀だと考えたり、ブランド品だから必ず上等だと思ったりする人は大勢いる。さらに、政治的にも、たくさんのステレオタイプがある。中日関係については多くの中国人と日本人が色眼鏡をかけて、お互いを見ているのではないだろうか。

  一衣帯水の中国と日本は、お互いに歴史や文化について長年研究してきた。数多くの学者たちは倦まずたゆまず研究に励んでいる。彼らは一生懸命研究してきた結果を本に書いた。中国人が日本を研究する著書の中で、よく世に知られているのは戴李陶の書いた「日本論」と、周作人の書いた「日本の衣食住」などである。これらの学者は日本の歴史や社会や文化などを通して、日本の民族の精神と特色を細かく分析した。日本人がひとつの目的に向けて心をひとつにするすばらしい集団性や、自然の美を愛するなどのすぐれた点だけでなく、同時に過去に多くの戦争の中で見られた軍国主義的な傾向といったマイナスの面についても指摘していた。

  ところが、学者たちの研究したこの結果は民衆にあまり知られなかった。多くの中国人の日本に対する認識はほとんど歴史教科書や映画などから受け取ったものであり、日本のファシズムが中国を侵略したということ、日本は強いということなどのステレオタイプの印象である。日本がすることはすべてこれらの色眼鏡を通して、中国人の目に映るのであった。

  例えば靖国神社参拝や歴史教科書の問題などの政治問題についても日中双方が自分の主張にこだわり、相手を色眼鏡で見ているために、なかなか解決の道が見つからないのではないだろうか。色眼鏡で見るだけでなく、理解しようともしないのである。それどころか、人々は色眼鏡をかけて物を見、ステレオタイプの判断の中に閉じこもり、相手への誤解をますます肥らせてしまうことになるのである。したがって、中日関係を改善するために、色眼鏡を捨て、自分の目で相手の気持ちと行動を見なければならないのである。それには、マスコミの力が必要である。私たち両国の国民は手を取り合い、ステレオタイプを越え、より仲良く発展していくべきである。(厦門大学 王虹娜)

  特別提供:日本僑報社・日中交流研究所 http://duan.jp




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