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中国茶で味わう文化の香り 茶芸師・渡辺英子さん (3)

北京の大規模な茶葉市場--馬連道

 -----普段飲んでいるお茶は、どのように購入したり選んだりしているのですか?

 私はすでに評茶員の資格を持っているのですが、まずは茶葉を見て、試飲できるところだったら、まずは飲んでみます。飲んだ後の茶葉も見ますし、その香りとか味とか茶湯の色などいくつかの要素を見てから購入します。でも、最近は先生から買うことが多いです。学校の先生が茶葉協会や産地から仕入れているお茶が一番安心できるので、先生から買うことが多いですかね。

 あとはクラスメートにはお茶の店を馬連道(北京の大規模な茶葉市場)でやっている人も多いので、クラスメートから買うことも多いです。

 -----中国の茶芸と日本の茶道はどう違うのか中国人から聞かれないですか?

 非常によく聞かれますね。茶芸教室でも、頼まれて講座をしたばかりです。一番大きな違いは中国茶はそのお茶そのものを楽しむ、文化を楽しむことに対して、日本のお茶というのはひとつひとつの動作を通して、精神を鍛えるということが目的であり、一つの「道」になっていることでしょうか。簡単にいうと、中国茶は多様な土地でそれぞれの文化として花開いた多種のお茶を楽しむことに重きを置き、日本の茶道は一心を見つめて動作を磨くことで精神を鍛えることに主眼がある。それが一番大きな差かなと思っています。

 ■北京生活で感じる日本と中国の関係と今後の夢

 -----現在、中国にいるからこそ見えてくる日本のことってありますか?

 よく海外交流事業に従事されている方から、「日本は日本の中だけですべて回ってしまう」、「それで満足してしまう」とおっしゃられるのを聞いていましたが、私自身中国に来て、東アジアの一員としての立場が、非常によくわかりました。日本がもっと東アジアの一員として、日本と中国と韓国と仲良く力を合わせていけたら、どんなに素晴らしいことかと思っています。すごくお互いに能力が出せるのにと。そして、お互いの国がなかなか仲良くなれないのはどうしてだろう?と、いつも思ってます。

 韓流が国境を越えてたくさんの人に愛されているのは、可愛くて楽しいことだったからではないかと思っています。そういう文化の部分で日本ももっと発信していったらいいと思うし、歴史は変えられないので、これからの東アジアのことを考えるためには、もっと交流を増やすべきだと思うし、そのために私は情報源としてのニュースの翻訳を続けて行きたいと思っています。

 -----日本ももっとそういう楽しいニュースを伝えるべきだと。

 そうですね。そうすれば、もっと楽しい交流ができるんじゃないかなと思っています。恐らく、日本の方は中国の若い人がこんなにも日本のアニメに幼いころから親しんで、面白いと思ってくれているということを知らないのではないかと思うんです。日本も中国も若者が小さなころに接していたアニメやゲームは実はあまり違わない。少しも怖くない。もっと気軽に交流できるようになったら、お互いにもっと分かり合えるだろうし、もっとニュースの量を増やして、くだらないように見えることも、日常のことをいっぱい伝えたらいいのにと思います。それぞれの国の人が何を感じ、どんな生活をして、生きているのかが手に取るようにわかるくらい。大新聞が報道するような大事件だけでなく、お互いもっと普段のことをたくさん交流したら、もっとみんな分かり合えるんじゃないかなと思ってます。中国人と1対1で話したら、非常に面白いじゃないですか。

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