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「憤青」時代、来ないよう

 「憤青」(フンチン)は「憤怒の青年」の略で、中国のネット流行語のひとつだ。その語源がドイツ語から来ていて、英語で「The Angry Young」と言い、無知で衝動的な行動をしがちな青年という意味である。また、中国のネットで「憤青」というのは、青年に限らず、しつこいナショナリズムとパトリオティズムを持っている人を指すものだ。

 「憤青」はよくネットを通じて、いろいろ過激な言論を発表し、さらに現実の中で過激な行動をする。それに、ネットの普及にしたがって、中国のみならず、世界各地で「憤青」はひとつの団体として定着して、だんだん大きくなっている。

 私は最近、中国と日本が「憤青時代」に入る兆しをちょっと感じた。なぜかというと、近年私たちの身の回りで発生したことから見れば、すぐ分かる。

 二〇〇六年の夏、世界のサッカーファンはワールドカップに熱狂していた。私たち男の子も時差をおして、毎晩深夜になってもすべての試合の生中継をずっと見ていた。六月十二日の夜中、日本対オーストラリアの試合が激しかった。試合の中で、オーストラリア側がゴールインするたび、男子寮は大きな歓呼の声をあげた。そして、最後、日本が負けた瞬間、皆が喜びを爆発させて、大声で歌を歌ったり、空き瓶を強く打ち付けたりして、大騒ぎになった。まるで自分はオーストラリア人であるか、あるいは先の試合は日本対中国、中国の勝ちのようだった。

 皆、なんでそんなに喜んだのか、私はさっぱり分からない。もしかして、皆も「憤青」か。しかし、そんなことしたら何かに役立つか。それで、中国サッカーチームは強くなれるものか。それに、スポーツというのは、音楽のように全世界の人々に属するものではないか。試合も人と人との交流の一環と言えるだろう。どうして大好きなスポーツの試合を見る時に、ナショナリズムをこめて見るのか。そんな目で見た喜びは本当のスポーツ試合を見ることから得た喜びだろうか。

 これは私が実感した中国の「憤青」のことだが、今年日本で起こした中国製冷凍ギョーザ中毒事件は日本の「憤青」を見せてくれた。

 宇多田ヒカルさんが大好きな私は、よく彼女のブログで書いた日誌を読んでいる。中国製冷凍ギョーザ中毒事件が発生した後、二月一日「タイムリー」というタイトルの日誌の中で「それにしても中国はどうしてこう、すぐバレるようなことをやってしまうんだよ」と書いてあった。「え! ヒカルちゃんも『憤青』か」。彼女が「憤青」ではないことが分かっているが、事件が定かではないうちに、どっちの責任が分からないのに、なんで中国に対してそんな偏見的な言葉を書いたかと本当に失望させられてしまった。そして、日本のYAHOOで調べたら、びっくりするほどたくさんの激しい言論を見つけた。「中国の責任だ」とか、「中国人は悪いやつだ」とか、「中国製品は日本から消えてしまえ! CHINA FREE!」さらにいまや中国のことを「支那」と呼んでいる人もいる。

 その関連のニュースを聞いたら、とても残念だと思う。しかし、今はまだ真相が明らかではないのに、あの人たちはなぜそんな結論を出せるのか。中国製品だから、きっと責任は中国にあると言えるのか。ただひとつの中国製品が問題を起こしただけで、中国製品を全部ボイコットする必要があるか。それは筋が通じないだろう。両国の問題を解決するには偏見的な態度で過激な言論を発表して、大騒ぎするというやり方をとるべきか。中国のものが日本で売れない、日本の物価が高騰し、両国民とも損害を受けるのではないだろうか。

 決して「憤青」の行為はこれだけじゃない。私は本当に心配している。もし、中日全国民が「憤青」になって、本当の「憤青時代」に入ったら、どんなおそろしいことが現れるかと私には想像しがたい。というか、想像したくない。

 実は、ナショナリズムと偏見の本質は偏狭と無知であると言われている。「憤」と「糞」の中国語の発音が同じだから、一般のネチズンがこの人たちを「糞青」と皮肉っている。グローバル化到来の今日、「憤青」や「糞青」にならないで、お互いに尊重して、理性の態度で付き合えば、中日両国はきっと「双贏」の時代を迎えられる。

 「憤青時代」が永遠に来ないように心から願ってやまない。

 (賀俊斌 西安外国語大学)

 特別提供:日本僑報社・日中交流研究所
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