2009年5月12日    メールマガジン登録I-mode登録中国語版日本版
人民網日本株式会社事業案内  更新時間:14:38 May 12 2009

戦略互恵、笑顔で未来を作ろう--日中「ウィンウィン」関係を築くには

 彼女は何の心構えもなく、偶然の場で、あの絵を見たのである。

 彼女の故郷の武漢は、中日戦争の時、主戦場の一つであった。というわけで、戦争時代に残された物は博物館でも見られるのである。ある春の日に、彼女は博物館に立って、ある名も知らぬ絵を長く眺めていた。

 灰色の空の下に、小さい丘を涙ながらに見つめている一人の母親の絵である。服装から日本人だと分かる。その絵の下の説明に、次の言葉が書いてある。

 「戦争が遠ざかっていく。敵も仲間も、血で赤く染められた土地に埋もれて、眠っている。もう敵も味方もないままに。」

 あの時、幼い彼女にとって、日本はただ海の彼方にある多くの国の中の一国に過ぎず、その国に対するあらゆる印象も戦争を経験し、生き残った母方の祖父から得たものであった。しかし、その日、博物館の日本の母親の絵を見てから、彼女は、終戦記念日に、戦争で命を捧げた英霊を弔う時、目の前に、いつも黙ってその墓のない丘を眺めている日本の母親の女性の姿が重なって浮かんでくる。そして、そのときから、「戦争は中国人民だけではなく、日本人民にも大きな災難をもたらした」と言う言葉がだんだんと分かるようになった。その日本の母親は、二度と帰れない息子、いやもしかしたら夫かもしれない、を偲んで眺めている。その表情は肉親を失った母親の顔である。その母親の表情は彼女を感動させ、脳裏に焼き付いている。

 その彼女は十一歳の私だ。今日本語を専攻しているこの私である。

 戦争で多くの人が殺され、多くの家族が離れ離れになってしまった。「戦争で生き残った人には、それなりに生きて行く理由があるだろう」と、祖父にそういい聞かされたことがある。戦争の悲惨な経験は人々に悪い記憶を残す。しかし、戦争の歴史を振り返ってみるのは、ほかでもなく、平和をもっと大切にし、強く生きてゆくためである。それに母親を泣かせないためでもある。

 今や中日国交正常化して、すでに三十六年の歳月が経った。この三十六年もの間、両国の政府と民間のたゆまない努力によって中日間の友好往来が発展してきた。中国に残留していた戦争孤児の日本帰国、日本の援助のプロジェクトの完成など、どれもが中日友好の絆になっている。

 中国の改革開放以来、両国間の交流がいっそう盛んになり、経済協力はいろんな分野で行われている。特に両国首脳の間では、一昨年に安倍元首相の「氷を割る旅」に続いて、最近の胡錦涛主席「暖春の旅」など国家首脳による頻繁な訪問で、日中関係が改善し、中日友好という目標に向かって意味深い一歩を踏み出した。そして、今回の胡錦涛主席の訪問は、両国間の戦略互恵関係を確立し、中日関係はさらに前に向かって一歩進んでいると思う。

 互恵の基礎は「相互理解」だと思う。中国には「君子の心で相手を量れ」という言葉がある。いわゆる、人と人、国と国の付き合いは、相互信頼が安定した関係の基礎である。ところが、靖国参拝などの歴史問題、また、台湾問題など敏感な問題で、中国人の中には、日本を客観的に見ることができない人が出ている。

 それに対して、日本側では、中国の発展を警戒して、中国脅威論を広げ、反日デモのような問題を政治化したり、不実の報道をしたりすることが時に耳にすることがある。どちらのほうも問題解決に役立たないばかりか、かえって問題を複雑にする一方である。したがって、いい意味での「ウィンウィン」の日中関係を建設するには、全面的で深い相互理解が必要で、両国の努力が大きく期待されている。

 今や時代が変わっている。いつも言われるように、国の将来を支えるのは若者だ。国を繁栄させるために、若い世代の努力が大いにものをいう。私もその中の一人なので、ときどき光栄に思うほか、負っている使命も重いと感じている。今の若者は情報に恵まれているが、かといって、完全に相手を理解しているというわけではない。日本語の授業で、先生からいつも「日本語の発想で日本語を言いなさい」と教られている。日本と中国とは民族が違うから、発想も大いに異なっている。そのため、中日「ウィンウィン」関係を築くには、若者の間の交流は実に大切だ。これは「ウィンウィン」関係が長く続いていけるかどうかに関わる大事なことだと思う。

 涙は悲しいものばかりではない。しかし、笑顔では必ずいい気持ちになる。これは人間共通の感じ方と表情だと思う。中日友好は大多数の両国の国民の共通の願いで、戦略互恵は両国の友好関係を築き、継続していく上での保証だと思う。今や、中日両国の指導者が友好関係に積極的な態度を示し、そのための努力も見せている。これからの中日両国の関係が両国の政府と民間の努力によって、きっといい方向に向かっていくと信じる。風にも雨にもまけず、両国の友好協力の未来のために、手を携えて歩んで行こう。

 (呉(王君) 対外経済貿易大学)

 特別提供:日本僑報社・日中交流研究所
 中国人の日本語作文コンクール特集

関連記事
  評 論
  中国メディアが見る日本 
  おすすめ特集

地方情報

北京|天津|上海|重慶|吉林|遼寧|河北|山西|山東|河南|江蘇|浙江|安徽|福建|江西|湖北|湖南|広東|広西|海南|四川|貴州|雲南|西蔵|青海|陝西|甘粛|寧夏|新疆|香港|澳門|台湾|黒竜江|内蒙古