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中国作家の日本訪問記(1)「007」に間違えられる

 文=劉方?

 先ごろ、私と友人の盧さんは招きに応じて日本を訪問した。5日間という駆け足の行程ではあったが、有名なシンクタンクの首脳陣や東アジアの事務を担当する官僚と対話する機会があり、国会の諮問会議を傍聴することもできた。

 「007」に間違えられる

 成田空港では、30歳代の女性が私と友人の名前をピンインで書いた紙を掲げて出迎えてくれた。彼女は私たちの姿を認めると、礼儀正しくお辞儀をした。駐車場に着くと、ダークカラーのスーツを着た立派な風格の背の高いやせた中年の男性が、私たちに向かって同じように丁寧にお辞儀をした。彼の名は逢坂隆さん。東京滞在中、私たちの運転手を務めてくれるという。

 車の中で、通訳の女性は自己紹介を始めた。彼女の名は吉田貴子さん。東京翻訳協会から派遣されたフリーランスの通訳者だという。そして意外なことを言った。「お二人のような身分の方の通訳をするのは初めてです。行き届かない点がありましたらいつでもおっしゃってください。ご希望に応えられるよう努力いたします」

 私たちは尋ねた。「私たちの身分に何か問題でも?」

 吉田さんは慌てて説明した。「お二人がどういった方々なのか謎に包まれているものですから。これまで中国からのお客様の通訳を担当する場合は、事前にお客様に関する簡単な資料を手にしていました。しかし今回はお二人のアルファベットの名前しか知らされず、漢字の名前さえ分かりません。ですから、お二人はきっと特別なお客様なのだろうと思ったのです。高官かあるいは……」

 「007、そうでしょう?」私は彼女に代わって言った。

 「そうです、007。お二人は特殊任務を帯びているに違いありません」吉田さんは注意深くそう言った。彼女の額にはたくさんの汗粒が浮んでいた。

 私たちは大笑いした。訪日前、盧さんは日本の招待側に対し、小規模な交流や討論を行うだけで、講演やマスコミの取材は受けないという要望を出していたため、このような誤解が生まれたのかもしれない。

 私たちは彼女に、私たちは作家であること、今回の訪日の目的は学術交流であることを告げたが、彼女は信じようとせず、それは「隠れ蓑」だと断じた。

 ここから、中日間の民間の溝をうかがい知ることができた。

 皇居にもピザのデリバリー

 ホテルに到着して荷物を置くと、招待側が開いてくれる夕食会まで2時間以上あったため、私たちは東京の街を散策することにした。

 皇居東側の二重橋近くで車を降り、私たちはお堀に沿って歩いた。吉田さんは皇居の歴史について紹介し、中国の故宮にはもう皇帝がいないので中に入って参観することができるが、日本の皇居には天皇一家が住んでいるため、参観することはできないのだと話した。

 二重橋の上には紺色の制服を着た護衛官が二人立っていた。さらに二人の護衛官が木の棒を手にして警戒区域を行ったり来たりし、時折、訓練の姿勢をとっていた。銃は携えておらず、木の棒を手にしている様は少林寺の棍僧を思い起こさせた。もちろん、ここの護衛官は坊主頭ではなく、制帽をかぶっていたのだが。

 お堀の低い壁の傍に立って対岸の皇居の城壁を観察した。灰色の大きな方形の石で築かれた城壁は、高くはないが幅が広く、お堀の岸の土や城壁の後ろの木々の色と見事に溶け合っている。素朴で重々しいその様に、仰ぎ見ることのできない畏怖の念を抱いた。

 お堀に沿って北へ向かって歩いていくと、一つの門の前に出た。中からは人がひっきりなしに出てくる。歩きの人もいれば自転車に乗った人もいたが、車は出入りしていない。そのうち、ヘルメットをかぶって電動自転車(バイク?)に乗った人が、正方形のプラスチックケースを携えて門の前にやって来た。そして護衛官と一言二言交わすと、中に入っていった。

 「ピザの配達でしょう?」私は吉田さんに尋ねた。

 「ええ。ここは皇居で働く人たちが住んでいるエリアです。私の友人もこの中の病院で働いています。今は皇居内の病院も外部の人の診察を受け入れるようになりました。以前はできなかったことです」と吉田さんは言った。

 古風な街角の漢字

 東京の街を歩いていると、いたる所で漢字を目にする。通りの名前、地名、橋の名前、建物の名前、機関の名称……、いずれも繁体字である。街ゆく人々の容貌や服装は北京や上海などとそう変わらない。よくよく見ると、日本人の使う漢字は不思議な上品さを帯びていることに気がつく。

 ニューオータニの前の坂道には漢字で「徐行」と書かれている。皇居東側の通りの名は「内堀通り」。京都のある寺の門前の札には「観桜自由」と書かれていた。無料で(自由に)桜を観賞することができるという意味だと理解したが、案内してくれた大友さんに尋ねると、やはりそうだった。「観桜自由」という4文字は上品で簡潔であり、非常に古風な表現である。

 近頃、日本人の漢字に対する熱意が高まっているという。神保町の各書店では漢字を正確に使う本がよく売れていた。この本の出版は麻生太郎首相がしょっちゅう漢字を読み間違えることに起因し、日本に漢字ブームを巻き起こした。

 中国の古代文化を受け継ぐことに関しては、日本人はまったく屈託がなく、それを隠そうとはしない。あちこちで目にすることのできる漢字はそれの明らかな証拠である。

 「チャイナネット」 2009年5月11日

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