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中国作家の日本訪問記(2)日本官僚に見た中国要素

 文=劉方?

 日本外務省の「第三国際情報官」である岡田健一さんはカバンの中から日本語版の『論語』と『新唐詩選』を取り出した。『論語』を読んでいるのは仕事上の必要性からであるが、『新唐詩選』は個人的な趣味だという。

 岡田さんの随員である村島郁代さんと大友誠さんはどちらも1970年代生まれ。中国留学の経験があり、流暢な中国語を話す。しかも村島さんの発音には明らかな北京なまりがあった。自分の「郁代」という名前について、「郁」の字は父親が『論語』から取ったものであり、妹の「文代」という名前も『論語』に由来していることを話してくれた。

 「第三国際」の意味

 私たちの訪日スケジュールには、外務省の「第三国際情報官」である岡田健一さんの招宴が盛り込まれていた。東京時間の夜7時、私たちは赤坂の小さな料亭でこの「第三国際情報官」と対面した。

 岡田さんはしゃれた風采の中年男性で、率直かつ冷静、ユーモアに富んだ人物だった。会ってすぐに、自分の祖先の本姓は司馬であるが、貧しかったために岡田家の養子となり、岡田に姓が変わったことを話してくれた。私は彼に、「第三国際」というのは中国語では「コミンテルン」を意味する専門用語であり、1919年3月にレーニンの指導の下で創設された国際共産主義運動の指導組織(本部はモスクワ)のことを指し、当時の中国共産党は「第三国際」の指導の下で活動を行っていたことを説明した。

 すると岡田さんは「それでは名称を改める必要がありますね」と笑い、私たちに「第三国際情報官」の意味を紹介してくれた。ここでいう「第三国際」とは、外務省の第三の研究室という意味で、主に東アジアの研究を行っているという。岡田さんはこの研究室の「担当」で、中国語に訳せば「第三研究室主任」ということになる。

 1960年代初頭生まれの岡田さんは東京大学を卒業し、北京大学と米ハーバード大学で研修を積み、英語と中国語に精通している。外務省にはすでに20年余り勤めており、これまで各種の職務を歴任してきた。現職に就任してからは2年足らず。前任は現中国課課長の垂秀夫氏である。

 名前の由来は『論語』

 岡田さんの随員であった1970年代生まれの村島郁代さんは、「郁代」の「郁」は父親が『論語』から取ったものであり、妹の「文代」という名前も『論語』に由来していることを話してくれた。私が「郁郁として文なる哉」と諳んじると、顔をほころばせた。

 私の友人の盧さんはこのことに感慨を覚えていた。1970年代というと、中国はまさに「批林批孔運動」が盛んな時期であり、全国各地に「打倒孔老二」(打倒孔子)の嵐が吹き荒れていた。しかし日本では、中国の伝統文化を愛する一人の父親が娘二人に『論語』に由来する優美な名前を付けていたのだ。

 理性的な心配とかすかな失望

 次の日の午前、外務省で座談会が催された。日本側の参加者には、昨晩お目にかかった岡田さん、村島さん、大友さんのほか、中国大陸部の集団性事件を専門的に研究している久保義人さんが加わった。座談会の主な内容は、近年、中国大陸の改革・開放の歴史を研究している盧さんによる改革・開放の過程における重大事件と研究成果についての紹介であった。

 紹介が終わると、日本側の質問は次の一点に集中した。今年は、新中国成立60周年、「五四運動」90周年、チベット民主改革50周年、そして金融危機後の重要な一年であるが、中国大陸で社会動乱が発生する恐れはあるか。

 岡田さんは「日本と中国は緊密な経済協力関係にあるため、私たちは中国で動乱が発生することに強い関心を寄せており、心配しています。中国で動乱が発生すれば、日本の国家利益にも重大な影響が及ぶ恐れがありますから」と言った。

 私たちは中国社会のさまざまな現実的要素と社会発展の論理に基づいて、それは有り得ないと明確に否定した。

 岡田さんはさらに「今年はたくさんの出稼ぎ農民が都市部で仕事を失い、多くの大卒生が就職難に見舞われているようですが、出稼ぎ農民と大卒生が団結して政府に抗議するという可能性はありますか」と質問した。

 私たちは、この二つの層は経済的基礎や利益要求が大きく異なるため、団結する可能性はないと答えた。

 第三国際情報官室に勤務する彼らは、日本と中国の経済利益は密接に結びついているため、中国で動乱が発生することを望まないと何度も強調していた。彼らのこの説明は理性的な面では偽りはないのだと思う。しかしその理性的な面の下には、別の側面があるように感じた。心理的あるいは感情的な面では、彼らは私たちの回答にかすかに失望しているように見えたのだ。

 米国の官僚は公の場で、経済が発展し社会が安定した中国は米国の国家利益と合致すると繰り返し述べている。しかし彼らは、本当に思っていることの半分しか口に出していない。日本の官僚も同じである。彼らの頭の中では、経済が発展し社会が安定した中国は彼らの国家利益に合致する存在であると同時に、彼らの国家利益を脅かす存在でもあるのだ。私たちは国家や何らかの組織を代表する立場にはないものの、中国の学者および作家として、そのことをはっきりと感じた。

 「チャイナネット」 2009年5月13日

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