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日本観察記(1)中国人エンジニア、林さんの失業

 文=薩蘇

 林さんは、私の知人の機械エンジニアである。腕があり、人柄もよく、仕事は真面目である。日本の加工会社に勤務して半年後になる先月、私を訪ねてきた。表情はとても憂鬱そうで、なんと、失業したという。

 話を聞いてみると、それは泣くに泣けず、笑うに笑えないものだった。

 林さんの災難は、余計なお節介を焼いたことから起きた。彼は作業場で、通りがかりに日本の労働者がアルミ板をカットしているのを見かけた。そのやり方は、アルミ板の上に一列の丸い穴をあけ、穴を一つあけては、丸いアルミ片をとり、この円状の素材をプレスして部品に仕上げるというものだった。日本人たちは方形のアルミ板を穴四つ分に十分な幅と見て、4つだけ穴を開け、残ったアルミ板を捨てていた。林さんはそれを眺め、問題だと思った。なんて、もったいないことをする、と林さんは言った。こんなに幅があるのだから、穴を斜めにずらして開ければ、5つ開けられるではないか?

 まったくのところ、それは、中国人のエンジニアでなく、中国人なら誰でも、一目みて分かるような事柄だったが、日本人はなんとそれを20年も続けていたのだ。

 日本人の労働者は、はっとして、林さん、あんたは凄い!と言った。

 林さんは、あまり気にもかけず、作業規定に関して流れをどうするべきか、技術工程をどう変えるか、さらに意見書を書いて提出した。驚いたことに、しばらくすると作業場の主任がやってきて、林さんは生産の秩序を乱した、と言った。

 林さんは、不快になった──自分は材料を節約したのに、生産秩序を乱したとは?

 日本人の主任は、君は生産の秩序を破壊した、我々は一枚の板に4つの穴を開けてきて、それは20年になる。もし5つの穴を開けることにしたら昔と違ってしまうではないか、と言う。

 林さんは、それでも節約ができ、しかも何も面倒なことはない、と納得しなかった。

 日本人の社長は、丁重な物腰で、みんなが4つ穴を開けているのに、なぜ君だけが5つ開けようとするんだ?勝手気ままに変えるのは、会社にとって決してよくない、と言う。

 林さんは怒った。もし、今までのやり方がいいというなら、その理由を言ってみてください。一体何がいいのでしょうか?

 社長が言うには、我々はこうして20年やってきたんだ、理由など考える必要はない・・・。

 まったく、日本人はなんと忍耐強く、上下関係を重んずるものなのだろう。

 この出来事から、中国人エンジニアと日本人の思考様式の明らかな違いを見て取ることができる。中国人エンジニアはアイデア豊かであり、四角四面な考え方を超越する。しかし、日本人は、ルールに従って物事を行い、それをよく守り、臨機応変さに欠ける。いったいなぜなのだろうか?これは中国の教育が優れているというよりは、卒業後の競争の激しさによる。頭角を現す者は、みな社会の荒波に揉まれており、生き残った時には、少なくても大胆かつ細心になっている。また、ずっと貧しい環境下にあった中国人エンジニアは、原始的な方法で問題を解決する習慣を持っている。

 また、日本人エンジニアは、社長をまるで祖先のように崇め、決して侵害しようとはしないが、中国人エンジニアは、争うべき点については、あいまいにしない。なぜかといえば、長い間、中国人エンジニアは、事情に通じていない指導者を受け入れざるを得ない状況にあったからである。

 中国人エンジニアが大胆不敵というのではなく、素人の指導下で、もし技術上の問題で争わなければ、ビルや住宅が倒壊、という非常事態が起きてしまう。技術者としての責任感によって、中国人エンジニアと上役との喧嘩は日常茶飯事となった。中国人の指導者たちは、こうした数十年にわたる修行を経て、多くの場合において「指導はできるが、技術は分からない。工程については諸賢に頼む」という態度を身につけている。不幸なことに、国外ではすべての会社にこのような指導者がいるとは限らない。アメリカの会社は比較的、中国に似ているが、林さんの在籍した日本の厳しい等級制度においては、彼の“犯した”行動は受け入れ難いものである。

 当然ながら、これは絶対に優れた点とも言い難い。中国人エンジニアは、規律正しさのもたらす影響を受けず、あまり重要そうにみえないルールを往々にして軽視する。例えば、日本人エンジニアは、プロジェクトの完成後、完璧に整理された技術上の資料を提供できるが、中国人エンジニアはこの方面は少々劣る。上から指示された仕事は、日本人エンジニアは問題があると思っても真剣に取り組むが、中国人エンジニアは、意思疎通がうまくいっていないと、消極的なストライキをしたり、取り組まないことさえある。私の見方では、計算、計画ができる事柄に際して、日本人エンジニアは優秀であり、予想外の、計画不可能な事柄に際しては、中国人エンジニアは天下一、といえるだろう。

 「人民中国インターネット版」 2009年12月21日

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