日本の「所得倍増計画」が成功した4つの点 (2)
(2)労働生産性の向上
国民の所得水準を高める鍵は、労働生産性を上げることにある。実際、国際社会が各国の経済水準や企業競争力を比較する場合、労働生産性や資本利益率などの効率指標をより重視している。現在、中国の学者は所得増加や「有効需要」(貨幣的な購買力に裏付けされた実現可能な需要)の拡大を提唱している。しかし、当時の日本と同じく、中国の企業界にも、労働所得の増加に反対する声がずっと存在しており、新たに発表された労働法への風当たりからその一端が垣間見える。日本政府が制定した所得倍増計画は盲目的に一方の意見を聞いたり、信用したりせず、学者の意見を取り入れ、経済学の基本原理からスタートして、所得倍増計画を科学的に制定。労働生産性を2倍以上に向上させることで所得倍増を実現する方針を打ち出した。これは企業に粗放型の成長方式から、科学技術により研究開発力を高め労働生産性の向上を図る新たな成長方式への転換を余儀なくなせた。