小野寺氏「中国で日本語教育の質的な変化がある」
日中友好市民倶楽部の小野寺健理事長はこのほど、人民網のインタビュー番組に出演し、中日友好に向けた取り組みや最近の両国関係に対する考えなどを語った。インタビュー要旨は以下の通り。
-----中国大学生日本語科卒論コンクールを主催されているが、これまで何回?年に1回?
今年は12回目になります。年に一回です。
-----参加者の規模などはどのくらい?
第1回の時は、非常に規模が小さかったですね。前回は応募論文48篇、参加校40校余りでした。中国の日本語教育全体を考えると、日本語学科を設置している学部というのは約460あるわけで、そのなかの1割が参加しているという状況です。
現実問題とすれば1割というのは必ずしも多いといえないわけです。ただ日本語教育の現状として、卒業論文をしっかり指導できるような大学、それはやはり1割に満たないと。
-----全体的なレベルは?
論文コンクールを主催する趣旨から話しますと、やはり私は日本の一友人としてと思うのは、日本語を学習された学生が日本企業や日本人の道具になるのではなくて、社会の主人公になるためには、日本語学習を通じて、論理的な思考の回路を身につけた学生を養成することが大事だろうと。そのためには、やはり卒業論文というのは、大きな契機になるのではないかということで始めたわけです。やはり日本語教育の現状からすれば、分野とすれば三つに分かれているわけです、言語、文学、文化社会と分かれてまして、やはり言語の部分、文学の部分というのは履修科目との関係もありまして、入賞論文は修士課程レベルの論文が育っております。一方、文化社会というのは、学生の関心は非常に高いんです。高いんですが、履修科目との関係が希薄であること、あとは指導する先生が、日本から優秀な先生に戻ってきていますが、まだそれが一部分に止まっている等々から、分野ごとの格差がありますので、この是正というはやはり日本語教育のこれからの課題になると思います。