中国人観光客激減 日本企業の「春節商戦」も低調
日本による釣魚島(日本名・尖閣諸島)の「国有化」で中日関係が冷え込む中、2013年の春節(旧正月、今年は2月10日)期間に日本を訪れた中国人観光客の数は依然、落ち込んだままだった。
春節当日の10日、東京の銀座にある松坂屋百貨店はバレンタインの催事などで賑わっていたが、中国人観光客の姿はまばらだった。昨年の春節期間には、店内の至る所に中国語で「歓迎」と書かれたポスターが貼られていたが、今年は閑散としていた。ある店員は「以前は数百万円もする高級時計を購入する中国人も珍しくなかったが、今年は仕方がない」とあきらめ顔で語る。国内の消費の低迷に悩む百貨店にとって、中国人観光客が高額商品を大量に購入する「春節商戦」は「年に数度のかき入れ時」であるが、今年の春節では好景気の様子はまったく見られない。
高島屋日本橋店では昨年の春節期間には中国人観光客のために日本の民間工芸品の展示コーナーを設けていたが、今年は見られない。そごう・西武百貨店でも昨年は特別に中国語の商品カタログを用意したが、今年の売り場にはなく、通常通りのサービスを提供しているのみだった。特に、中国軍艦によるFC(火器管制)レーダー照射事件騒ぎの後、大手百貨店の職員は「中国人客と日本人客のトラブルが心配で、通常以上のサービスや歓迎キャンペーンは打ち出しにくい」との懸念を明らかにした。
一方、春節期間に世界各地に訪れている中国人観光客は現在経済が低迷する各国にとっての「救世主」となっている。韓国観光公社は春節期間に韓国を訪れる中国観光客は6万3000人に上ると予測している。米国ロサンゼルスにあるユニバーサルスタジオでは、中国人観光客専用に「世界都市:北京の魅力」をテーマとするイベントが行われている。イギリス、オーストラリアなどの各国でも中国人観光客の高級贅沢品を購買する消費能力に驚嘆する声が上がっている。これに対し、かつては毎年「春節商戦」で甘い蜜を吸ってきた日本の企業はその様子を指をくわえて眺めるばかりだ。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年2月19日