日本で体験する低炭素避暑 「木、風、水」で省エネ
夏に日本に旅行に行くと、低炭素避暑の理念が市民生活に融け込んでいることを強く感じる。ビルが林立し、人口の密集する都市でも、「木、風、水」の要素を都市全体の建設に巧みに融け込ませているため、自然に室内温度が下がり、エネルギー節約と避暑が達成されている。
日本の集合住宅地区は緑化が非常に行き届いている。高く大きな木もあれば、花や草もあり、全面的な緑化をほぼ実現している。周囲には広葉樹林も広がる。また、外壁にツタなどの植物をはわせたり、屋根にまで植物を植えている住宅もあり、遮熱効果を果たしている。夏には広葉樹林の密生する葉が日差しの大部分を遮り、家屋の温度上昇を防ぐ。このため室外の気温は比較的高くても、室内ではエアコンが不要にすらなる。
日本人の建築理念では設計時に通風を十分に考慮する。立体と平面の結合した通風手段によって空気の流れを良くすることで、室内の湿度や温度を効果的に下げる。マンションの大部分は風が吹き抜ける設計となっている。非常に暑い夏でも前後の窓や扉を開ければ、風が真っ直ぐに吹き抜ける。このように設計されたマンションは、強い通風がエアコンに似た温度引き下げ効果をもたらす。
日本は水資源が豊かだ。河川などに臨む住宅は静かで優雅な雰囲気を醸し出すだけでなく、水面を渡る風が涼やかさを与える。大阪や京都といった大都市でも、千葉県などの地方でも、河川の近くには決まってマンションや住宅地区が多く建てられている。河川から生じる水蒸気が大量の熱を吸収し、快適な居住環境を形成するからだ。自然河川のない場所では、都市計画によって道を切り開くこともある。例えば大阪市立図書館は外壁に循環型噴水装置を設置して温度を下げている。周囲に人工池やプールを設けているマンションもある。
こうして巧みに「木、風、水」の助けを借りることで、日本は夏季の電力依存を大幅に減らし、低炭素避暑を実現しているのだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年8月11日