2009年1月7日    中国語版日本版
更新時間:13:02 Jan 07 2009

ロシアとウクライナの「ガス対峙」、長引けばマイナスだが妥協も困難

 ロシアがウクライナ向けのガスの供給を停止するのはすでに3回目で、今回の供給停止には、06年の最初の供給停止が欧州に及ぼしたほどの影響はない。また、ロシア・ウクライナ双方に物質的・心理的な準備があることが、問題の解決を一層困難にしている。(文:王海運・中国国際問題基金エネルギー研究センター主任)

 供給停止の直接的な原因は経済的なものだが、地政学的要因が事態の進行に与えた影響も相当大きい。ウクライナはここ2年、北大西洋条約機構(NATO)加盟の取組みを積極的に進めており、ロシアがウクライナに特恵価格でガスを供給することはできない。ましてやウクライナは対ロ負債をなお抱えているのだ。さらにロシア自身もガス産出量が不足しており、中央アジアから高価格でガスを購入し欧州に供給しなければならない。プーチン首相によると、ロシアのガス購入価格はすでに1千立方メートル当たり340ドルに達しており、これに国境通過料を加えた価格は、すでにウクライナ側の利益を考慮に入れたものとなっている。このため、市場経済の原則からも、ロシア・ウクライナ関係からも、ロシアが再びウクライナに特恵条件でガスを供給するのは難しい。

 だがロシア側には、エネルギー問題を利用してウクライナの政治環境の変化を促そうとの考えも確かにある。現在ウクライナは経済と政治の二重の危機に直面し、2つの総選挙を前にしており、ロシア側には債務問題を利用して圧力をかけ、ウクライナの政権構造の変化を促そうとの意図がある。ロシアとグルジアの間で衝突が発生した後、ロシアと米国の関係には「冷たい平和」の状態が出現した。ロシアの戦略上の主たるライバルは当然米国だし、これに欧州との深い絆が加わって、ロシアは欧州の大国との関係改善に手を尽くしている。最低でもウクライナへのガス供給停止により欧州の大国との関係を再び悪化させないこと、さらには豊富なエネルギーを利用してその大国としての地位と欧州のエネルギー安全保障への影響力を試みることだ。一方ウクライナは、「ガス対峙」を利用してロシアと欧州の関係を挑発することで、欧州に不満を抱かせ、ロシアに対して手を出させようとしている。

 現在の状況では、ロシアとウクライナのどちらからも一方的な大きな譲歩は望めない。したがって、今回の「ガス対峙」はまだしばらく持続するだろうが、あまり長引かせることもできない。あまり長引くと欧州が耐えきれないし、ウクライナにもそこまでの意思はなく、ロシアも自国のイメージをさらに悪化させてしまう。今後は、やはり欧州連合(EU)の調停で膠着局面を打破し、双方に妥協を促すことになるだろう。

 ロシアとウクライナの今回の「ガス対峙」による影響は多方面にわたる。最も直接的な影響はロシア・ウクライナ関係の一層の悪化だ。ウクライナ国内の対立がさらに深刻化するおそれもある。ロシアはウクライナを迂回して欧州へ至るパイプラインの建設を加速する措置を取るかもしれない。エネルギー安全保障が他者に左右される不安が深まるにつれて、欧州もロシアへのエネルギー依存からの脱却を模索するだろう。(編集NA)

 「人民網日本語版」2008年1月7日

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