プラスの国際イメージ、日本が2位? (3)
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日本の観光大使「ハローキティ」 |
■文化輸出に特色
日本語を専攻する外国人学生の夢は、ペアの可愛いアニメの猫から授業を受けることかも知れない。つまり、キティちゃんとドラえもんだ。
キティちゃんは今年5月に日本の観光大使に任命され、ドラえもんも3月に日本初のアニメ文化大使に任命された。米誌「タイム」11月20日号は、キティちゃんとドラえもんの大使任命は、日本の海外影響力が日本のポップカルチャーと密接な関係にあることを示していると報じた。
キティちゃんは決して、日本生まれ、日本育ちの日本の猫ではない。苗字も「鈴木」や「佐藤」ではなく、「ホワイト」だし、両親の名もジョージにメアリーだ。だがこの子猫は日本にとって最も成功した輸出商品、開かれた日本の象徴となった。
日本の麻生太郎首相は現在68歳だが、日本の政治家の中では比較的珍しく、「国際的」な個人的経歴を持つ。麻生首相は米スタンフォード大と英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに留学し、シエラレオネとブラジルで家業の採鉱業を経営した。また「マンガおたく」を自称し、「マンガ外交」を提唱している。外相時代の07年には外国人漫画家を表彰する国際漫画賞を創設した。
■海外援助で価値観を広める
日本の海外援助の積極的な提唱者である麻生首相は、発展途上国に対する援助は「日本文化を輸出する立派なルートであり、日本の価値観を広める重要な手段でもある」と考えている。
1990年代初めの日本は世界最大の援助国だったが、過去10年間に海外援助予算は急減し、現在では世界第5位に過ぎない。日本外務省は今年8月、09年度の海外援助予算の13.6%増を要求した。麻生首相は10月、インドに対し過去最高額となる45億ドルの円借款に署名した。その5カ月前には、2012年までにアフリカへの援助額を倍増すると約束した。日本はまた、アフリカに3つの大使館を新設した。
もちろん、海外援助は決して無私の行為ではない。日本企業は海外援助に伴う多数の契約により利益を得ることができる。だが、海外援助は日本企業に手厚い利益を与えるためだけのものでも決してない。自分たちの理念を世界に広めたいと切望する日本人がどんどん増えているのだ。
元国連難民高等弁務官の緒方貞子氏は現在、国際協力機構の理事長を務めている。同機構は最大規模の組織改革を今年行い、100億ドルの基金を運用する世界最大の2国間開発機構となった。現在81歳の緒方氏は日本の海外援助事業を宣伝する労を厭わない。「日本は自分がした事をあちこちで吹聴したいわけでは決してない。だが、われわれの沈黙と謙虚さのために、世界の人々はわれわれの努力を知らずにいる」ーー。