プラスの国際イメージ、日本が2位? (4)
■市民による影響力を強化
グローバル化の時代に成長した日本人は、他国との交流を維持し、その発展を助けることを日本の責務と捉えている。
「ソフトパワー大国」の著者・渡辺氏は「日本の市民の中には、われわれは60年前に他国の援助の下で復興を果たしたのだから、今また同じように崇高な事をすべきだとの考えがある」と語る。2004年に海外の大学に留学した日本人は8万3000人近くに上る。これは1990年の3倍だ。国連で働く日本人の専門職員は7年前は500人足らずだったが、現在は700人近くに増えている。
海外留学を経験した大西健介氏が1996年に創設したNGO「ピースウィンズ・ジャパン」は、現在では日本最大の国際NGOの1つに成長している。大西氏は「海外支援を通じて世界に日本の価値観を広めることが自分たちの使命だと考える日本人が増えている」と語る。
こうした考え方に支えられて、青年海外協力協会に参加するボランティアも日増しに増えている。同協会は1965年以降、70余りの国々に3万人を超えるボランティアを派遣してきた。現在、ボランティアの主力は女性や、定年退職後に人生に新たな価値を求める高齢者だ。彼らの海外での事業も非常に「日本的」だ。寒さに強い品種の米の栽培、環境事業、数学・自然科学教育などだ。
日本人は国を出ると共に、世界を理解することも切望している。現在41歳の大西氏は、以前東京の優秀な2つの大学で客員講師をすることになった際、彼が語る世界の果ての話を聴きに来る学生などいないのではないかと心配したと話す。だが実際には、教室は常に満員で、座席がないためずっと立って聴講した関心の高い学生も少なからずいたのだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2009年1月14日