2009年2月12日    メールマガジン登録I-mode登録中国語版日本版
更新時間:16:13 Feb 12 2009

バイデン氏講演からみる米外交の「変」と「不変」

 米国のバイデン副大統領はこのほど、第45回ミュンヘン安全保障会議に出席し、米新政権の外交基本政策について説明した。バイデン副大統領の演説には3つの注目すべき点があった。第一に、米国の新たな外交政策がブッシュ政府の一国主義と決別することが強調され、欧州連合(EU)だけではなく世界のほかの国々とも相互関係を築くという新路線が打ち出された。第二に、ロシアとの関係をリセットするべき時が来たとして、関係改善への姿勢が示された。第三に、核問題についてイランとの直接対話を行っていく意欲が示された。

 バイデン副大統領の演説からみると、オバマ新政権の外交政策はまだ完全に具体的な形にはなっていないものの、変化を可能とする大きな柔軟性が与えられている。すでに立ち行かなくなっているブッシュ政権の一国主義や好戦主義は、新政権が変化させなければならないトピックの一つだ。事態の収拾も適切に行い、地政学的な災難が新たに起こって米国に大きなダメージを与えることを回避しなければならない。米国の新政権は今後、国際社会と各国政府との対話と協調をさらに重視していく必要がある。ブッシュ政権が残した国際政治の負債に加え、国際政治の厳しい危機も発生している現在、多くの分野での米国の力不足が明らかになってきている。「何かをやるにはみんなの力が必要だ」ということに米国も気付き始めている。そのためには変化が不可欠であり、どうせ変わるのならば早い方がいい。

 バイデン副大統領の演説の中では、米国の「変わらない」部分も明らかにされた。東欧へのミサイル防衛配備の継続や、イランの「核兵器計画」や「テロリズム支援」に対する警告は、従来と変わらないスタンスだ。これらは、ロシアやイランとの関係打開に向けた障害となっていくことだろう。だがこれは対話の門を閉じるほどのものではなく、話し合いの余地は依然として残されている。核拡散防止は米国の死活にかかわる国家利益の問題であり、米国がこのスタンスを崩すことはない。だがイランは核兵器を製造しているとは言っておらず、話し合いの余地はある。また、イラクの今後やアフガン問題があるため、米国はイランに頼らざるを得なくなっていくことも予想される。バイデン副大統領はイラン問題を重点としており、イラン側も米国と対話するチャンスをうかがっている。両者の交渉は中東情勢の微妙なバランスの中で進められていくことになる。一方、東欧へのミサイル防衛配備はこれほどの重要な意義を持っているとは思われないが、米国の持つ外交カードの一つではあり、米国が駆け引きなしにこれを放棄するとは考えにくい。バイデン副大統領は過去、米国によるSDI構想に反対した経験もあり、武器の政治的な影響や技術的な実現性には詳しく、ロシアにとっては手ごわい交渉相手となるはずだ。

 米国の新たな指導者は今後、米国の国家利益を維持することに尽力していくことだろう。自国を重んじるのはどの国の指導者も同様だ。だが利益の確定や配分は一方的な思い込みでは実現できず、関係者の駆け引きと妥協の結果として可能となる。国家利益の維持は政治的な技術であり、長期的な視点と確かな現実感が必要だ。ブッシュ前大統領はある意味、思い込みの強い主観的な人物であり、それがつまずきの石ともなった。米外交の新路線は、国内政治の変化を反映するものであると同時に、国際的な現実のプレッシャーによって生まれたものでもある。(「人民日報海外版」コラム「望海楼」より、編集MA)

 「人民網日本語版」2009年2月12日

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