2009年3月9日    メールマガジン登録I-mode登録中国語版日本版
更新時間:10:29 Mar 09 2009

米ロ関係:調整の中、平衡点を模索

 現在の情勢を見ると、米ロ関係の改善には確かに一定のプラスの推進力がある。これは主に3つの点に見られる。第1に、両国は互いの重要性への認識を日増しに深めている。両国の不和は互いの利益に合致しない。特に、世界金融危機が拡大を続け、非従来型の安全保障問題が次々に生じ、相互依存が日増しに強まっている背景の下では。第2に、双方共に関係改善の意志がある。米国は「スマートパワー」外交で新局面を切り開き、米ロ関係の膠着状態を打開し、数多くの難題においてロシア側の力を借りたいと考えている。ロシア側も、グルジア紛争を機に冷却化したロ米関係を改善するための時機を積極的に模索している。第3に、両国関係には一定の改善の余地が潜在的にある。適切に対処すれば、両国間には、景気後退対策、イラン核問題、アフガニスタンでのテロ対策などの問題において、一定の協力の余地がある。最近の一連の積極的な相互作用は、まさしくこうした要因によって推し進められたものだ。(文:王鴻剛・中国現代国際関係研究院研究員)

 だが「善意」の背後には、依然として不変の「後手」が控えている。米側が発しているのは非常に複雑な和解のシグナルだ。米側はミサイル防衛(MD)に関する協議・協力の実施をロシア側に呼びかけているが、MDシステムの配備を継続し、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大を推進するとの立場に変更はない。米側はロシア側との戦略軍縮協議を提唱しているが、現在のところまだ双方共に認める具体的なプランはない。米側は現在、行動戦術と利益の優先順位をいくらか調整しただけで、基本的な戦略目標に変更はないと見るべきだろう。米側の積極的な姿勢に対し、ロシア側は保留付きの歓迎を表明するとともに、両国関係の将来に慎重な楽観姿勢を示している。中央アジア、中東、中南米に対する両国の影響力競争はまだ決して終わっていない。

 両国関係の改善には、なお深いレベルの制約要因がある。中でも最大の障害が目標のずれだ。米側は戦術調整によってロシア側の感情をなだめ、既定の戦略路線を推し進めようと図っている。ロシア側の目標は、対等な大国としての地位と信頼に足る安全保障を守ることであり、米側にとっておそらくこれは容易には受け入れがたいものだ。両国間の猜疑心も最大の問題だ。ロシアに対する米国の戦略界のマイナス判断は短期間には変りようがなく、これは対ロ政策の調整を牽制するだろう。米国に対するロシア各界の信頼もすぐには回復しがたい。

 つまり正負の両要素を考慮すると、米ロ関係は当面「揺らぎながらの回復」傾向を維持することになろう。両国関係は「リセット」されたとはいえ、依然として、手の内を互いに探り合う摺り合せの段階にある。両国関係の持続的・実質的な改善の可否は、具体的な問題における双方の駆け引きと、指導者の政治的な知恵をなお見る必要がある。(編集NA)

 「人民網日本語版」2009年3月9日

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