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更新時間:09:47 Mar 11 2009

相互に影響し合う日本の内政と外交の行方

2月17日、衆議院予算委員会に出席した麻生太郎首相。

 文=楊立群・宰飛

 最近、隣国・日本の政局に注目が集まっている。麻生内閣の支持率は低下の一途を辿り、自民党内にも「内部対立」の動きが見え始めた。3月4日、自民党の多くの若手議員が「自民党を刷新し、日本を再生する会」の初会合に参加し、「麻生おろし」の動きが表面化しているが、低支持率に悩む麻生首相は外交に精力的に取り組む姿勢をアピールしている。一方、自民党に対抗する民主党にも問題が浮上した。小沢一郎代表は公設第一秘書が政治資金規正法違反容疑で逮捕されたのを受け、辞任要求にさらされていたが、4日これを拒否した。

 スキャンダル発覚、自民・民主のどちらに有利に働くのか

 民主党の政治献金スキャンダル発覚前、麻生政権はすでに求心力を失っており、支持率が歴代内閣で最低となる9.7%まで落ち込んだ。与党・自民党内部にも反麻生の動きが広がり、少なからぬ議員が首相批判を強め、衆議院解散に先立ち総裁選挙を実施するよう求めている。最近の世論調査から、今年の衆議院議員総選挙で民主党が自民党に勝利し、小沢代表が次期首相に就任する可能性が一層高まっていることが分かった。

 今回の政治献金スキャンダルが小沢代表と民主党にとってマイナスとなるのは必至だ。ライバルの失策に麻生首相は安堵しているかもしれないが、これにより政局が逆転するとの見方は時期尚早と言える。

 現状では麻生首相が攻守逆転のチャンスを得たことになるが、政治献金スキャンダルは「諸刃の刃」であることを忘れてはならない。自民党側のこの件に関する記録は明らかになっていないが、民主党に違法献金したとされる「西松建設」も自民党に献金していたという。上海国際問題研究院学術委員会の呉寄南副主任は「この事件がどのような事態に発展するのか予測できない」と話す。

 これに対し、民主党側では、小沢代表がこの危機を乗り切るとも見られているが、代表交代が不可避となり岡田克也前代表が再登板する可能性も高い。岡田前代表は保守系「ハト派」に属し穏健な立場を取っているが、小沢代表のような選挙のプロではない。呉副主任は「小沢代表は自民党にとって最も手ごわい相手である。なぜなら自民党の『死穴(致命的な急所)』を知っているからだ」と指摘する。だが、一部のアナリストは、民主党はまだマイナス要因を抑えることが可能であり、同党の高い支持率は全て小沢代表によるものではない、との見方を示している。

 復旦大学日本研究センターの郭定平主任は「日本の政治発展の文脈から見て、有権者の保守的傾向が非常に強いのは、野党を選んだ場合、政治的不確定性が増すことが原因となっている」とした上で、「自民党と民主党の勝算は5分5分である」と分析する。

 外交で得点を稼げるのか

 麻生首相は国内では不安定な立場と支持率低迷に頭を抱えているが、このところ外交面で精力的に取り組む姿が見られる。

 麻生首相は日米首脳会談を終えワシントンから帰国したばかりだが、外交日程はこれまでと同様、目白押しの状態。3月末の中国訪問、4月の「パキスタン支援国会議」主催、およびロンドンで開催される主要20カ国・地域(G20)金融サミットへの参加、5月のロシアのプーチン首相来日、7月の主要8カ国首脳会議(G8)への参加と立て込んでいる。さらに、北朝鮮の人工衛星打ち上げ準備(西側諸国はミサイル発射準備の動きと警戒)、釣魚島の主権などをめぐる問題で、日本は最近強硬姿勢を示している。

 一般的に、政治家は内政問題でつまずくと、国民の注意を国外へ向けさせようとする。麻生首相は最近、外交に力を入れているが、これには国内の「麻生おろし」の動きを抑える狙いがある。また、日本の政局の行方が混沌としていることから、与野党はいずれも敏感な問題を利用し国内の極右民族主義勢力を満足させる必要がある。だが、国内問題が山積し経済が後退する中、麻生首相の積極的な外交活動は、必ずしも内閣の得点につながらないだけでなく、危険な方法であるとも言える。「釣魚島の問題はまさにこの1つの例である」と上海交通大学日本研究センターの王少普主任は話す。

 さらに、麻生首相の活発な外交活動には恐らく、別の意味が一定程度あると見られる。つまり、米国新政権誕生にあたり、日米、日米中の関係のあり方を模索する狙いがあると考えられる。

 麻生首相は日米同盟を一層強化し、日米の良好な関係を示すことで、国内の政局の安定化を図ろうとしたが、米国は自国の利益を考慮する姿勢を示し、日本にもある程度の満足感と安心感を与えた。例えば、ヒラリー・クリントン国務長官がアジア歴訪の最初の訪問国に日本を選び、オバマ大統領が就任後最初に迎える外国首脳として、麻生首相の訪米を要請した。だが、アナリストによると、中国が存在感を増す中で、米国のアジア政策は調整されることになるという。

 郭主任は米国の姿勢について「これまで主に日米同盟に基づき、東アジアの安定化を図ってきたが、中国の台頭に伴い中国との関係を重視せざるを得なくなった」と話す。また、日本については「米国の姿勢の転換を考慮し、中国との関係を強化すると見られる。誰が首相になっても、中日の戦略的互恵関係に大きな変化は起こらないだろう。また、日本は自国の国力低下および中国の台頭に伴い、中国の発展を利用し実力を高めようとしている」と指摘する。一方、王主任は「オバマ政権も国際情勢の変化を意識し、同盟関係のほかに他の国、特に新興経済国との関係を発展させる意向を打ち出している」と話す。

 実際、米国政府が麻生首相の顔を立てる形となったが、日本側には実質的な成果はほとんどなかった。例えば、釣魚島問題で、日本側は米国から再度「共同防衛」の確約を引き出したかったが、期待していた回答は得られなかったと見られる。呉副主任は「日米同盟は大きく後退することはないが、再び前進することもないだろう」と予測している。

 「チャイナネット」2009年3月10日

3月4日、東京の民主党本部で野党第一党・民主党の小沢一郎代表が記者会見を行った。
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