2009年3月12日    メールマガジン登録I-mode登録中国語版日本版
更新時間:10:11 Mar 12 2009

麻生氏の強硬外交は政権弱体化の歯止めにならず

 麻生氏は外交面での強硬姿勢で内政面の弱体化をカバーしようとしている。中国がより注意しなければならないのは、麻生氏の「ビッグマウス」ではなく、日本国内の政治の動向である。

 ここしばらく、国内の支持率がかつてないほど低迷している麻生太郎首相であるが、外交面ではかつてないほどの活発さを見せ、中国の釣魚島を含む一連の問題において強硬な発言をし、外交面での強硬さで国内での弱さを補おうとしている。

 不景気の中にますます深く落ち込んでいく日本は、「刺激的な言葉」と同時に、中国を重視しないわけにもいかない。麻生首相は2月26日の国会で、「釣魚島は日本固有の領土であり、日米安全保障条約の対象であることを米国側と話し合う」「釣魚島に第三国が侵攻してきた場合、日本は安全保障条約を発動する」と述べた。麻生氏のこの発言は中日がかつて共通認識に達した「係争は棚上げにして共同開発をする」の精神に反しているため、中国外交部は即刻、中国人民はこれを絶対に受け入れることはできないと表明し、日本に対して中日関係と地域の安定の大局の観点から言行を慎むよう求めた。これによって、日本国内の釣魚島問題に関する声はすぐに静まった。

 麻生氏の「ビッグマウス」に慣れている中国人に言わせれば、今回の「口を滑らせた」発言はたまたまのことではない。麻生氏は外相時代にも不適切な発言を繰り返して隣国の反感を買っていた。昨年9月に首相に就任した際には、これまでの口出しの多さを改め、穏健さを装った。しかし2月26日の発言で、麻生氏はやはり「ビッグマウス」であることが明らかになった。何が原因で、以前のような余計な口出しをする麻生氏に戻ったのだろうか。

 外交は内政の延長である。麻生氏の今回の外交面での挑発も内政の中にその根源を見つけることができる。

 まず、麻生氏は過激な発言によって世論を味方につけ、自身の不安定な地位を固めようと考えたのだろう。世界的な金融危機により、日本の経済は35年ぶりの深刻な低迷に陥り、主要先進国の中で衰退が最も深刻な経済体のひとつとなった。麻生内閣の支持率も下降の一途をたどり、1桁にまで落ち込んだ。麻生氏本人と彼の率いる自民党政権の未来は期待されていないのだ。新しく就任したヒラリー・クリントン米国務長官は日本滞在中、日本最大の野党のトップとも会談した。これに対して人々は、「ポスト麻生」と「ポスト自民党」時代の事前準備ではないかとの推測を禁じえなかった。

 内部の危機に直面している麻生氏は、外交面での強硬姿勢によって内政面での弱体化をカバーし、低迷した支持率を挽回して、衆議選で反撃を繰り広げようとしている。したがって、釣魚島に関する行き過ぎた発言は麻生氏の一連の外交強硬姿勢のひとつに過ぎないのである。3月2日には北朝鮮に対しても「威嚇」のような発言をし、北朝鮮が「人工衛星」と称して打ち上げた弾道ミサイルが日本に飛来した場合、ミサイル防衛システムによる迎撃がありえると述べた。

 麻生氏の度重なる「タカ派」の発言は、自分は米国に近いと「勝手に思い込んでいる」ことと関係があるのかもしれない。2月24日には念願かなって、オバマ大統領が就任後初めてホワイトハウスに招いた外国首脳となった。しかし、麻生氏の訪米は冷淡な扱いを受けた。共同記者会見もなく、昼食会さえも設けられず、日本国内では多方面から批判やや皮肉の声があがった。

 日本の主流メディアは麻生氏の釣魚島に関する行き過ぎた発言に対して、いつもとは打って変わって「沈黙」を保っている。北朝鮮に追撃ミサイルを発射するという強硬対策に対しても、危険な政策だと批判している。これは、空前の不景気に直面して、外交カードの効力が落ちていることを示していると言えるだろう。麻生氏と自民党にとっては、外交でポイントを稼ぐより、敵のスキャンダルが流れたほうがはるかに素早く効果的にポイントをあげられる。3月3日に最大の敵である民主党の献金をめぐるスキャンダルが流れたことは、麻生内閣発足以来の「グッドニュース」ではないだろうか。

 このような状況において、中国がより注意しなければならないのは麻生氏の「ビッグマウス」ではなく、日本国内の政治の動向である。用心しなければならないのは、麻生氏であれ自民党であれ、自民党に取って代わる可能性のある民主党であれ、釣魚島問題における立場は基本的に同じで、その違いは、口に出すか出さないか、そしてどんな方法で口に出すかに過ぎないのである。

 文=党建軍(広州日報に掲載) 

 「チャイナネット」2009年3月11日

関連記事
  評 論
  中国メディアが見る日本 
  おすすめ特集
中日経済情報週刊(第17号)[ポスト金融危機時代の日本経済]
中国を巻き込むリストラの嵐
【特集】2009「両会」
【特集】国務院10大産業振興計画
【特集】
ダーウィン生誕200周年
【特集】クリントン国務長官のアジア歴訪

一覧へ


地方情報

北京|天津|上海|重慶|吉林|遼寧|河北|山西|山東|河南|江蘇|浙江|安徽|福建|江西|湖北|湖南|広東|広西|海南|四川|貴州|雲南|西蔵|青海|陝西|甘粛|寧夏|新疆|香港|澳門|台湾|黒竜江|内蒙古