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更新時間:15:00 Mar 20 2009

ロシアの爆撃機がベネズエラを着陸地に 深まる両国関係

 ベネズエラのチャベス大統領はこのほど、ロシアの戦略爆撃機がベネズエラの空港に着陸することに歓迎を示した一方、「ロシア軍事基地のベネズエラへの設立をベネズエラ政府が提案した」という情報を否定した。この発言はまたたくまに世論の関心をひき、ロシアとベネズエラの関係の行方と双方の戦略的意図が焦点となった。

 ロシアとベネズエラの関係はここ最近、ますます活発化している。両国は頻繁にハイレベル会合を行い、戦略的協力も不断に強化されている。昨年は、両国の大統領が相互訪問を実現。多くの協力合意を結び、両国関係の全面的発展のための基礎的な枠組みを確定した。

 両国の関係が大きく発展していることには、潜在的な動機とはっきりした意図がある。第一に、国際金融危機という条件下で、ロシアとベネズエラにはいずれも、国内情勢を安定させ、経済困難を共に乗り越え、相手の力を借りて外部からの脅威に対処したいという現実的な考えがある。ロシア側から見ると、米国のオバマ大統領の就任後、露米関係の「再起動」が掲げられ、双方のトーンも和らげられたことは確かだが、ロシア側はまだ米国から実質的な約束を得てはいない。ラテンアメリカへの外交攻勢をロシアが強めているのは、欧米諸国の封じ込め政策を米国の「裏庭」からけん制するねらいがある。ベネズエラ側から見ると、チャベス大統領の長期的なねらいはラテンアメリカ地域での影響力を拡大することであり、目下の課題は政権を安定させることだ。現在の金融危機に対処し外部勢力の浸透を防止する措置を取ることで、2012年の大統領選での再選を目指す。ベネズエラにとってロシアと協力することは、経済的な利益を獲得することを可能とするだけでなく、政治的な影響を拡大することにもつながる。

 第二に、エネルギーや武器の分野で、両国は互いを必要としている。ロシアは、ベネズエラなどラテンアメリカ国家とのエネルギー面での協力を急速に発展させており、国際エネルギー構造での自らの地位をこれによって高めたいと考えている。原油の国際価格に大きな波が出る中、エネルギー価格への介入能力を高めたいという意識がある。ベネズエラは、ロシアとのエネルギー協力を強め、エネルギー多元化戦略を実現し、米国から束縛されることを避けたいと考えている。両国の武器貿易も高まっており、ロシアにとってベネズエラは武器の主要な買い手となっている。武器貿易を通じて、ロシアは経済的利益を得るだけでなく、ベネズエラとの距離も縮めることができた。

 戦略・経済・エネルギーなどでの関係が深まった両国は、軍事と安全の面での協力を強化したいと考えるようになった。ロシア軍は08年9月、戦略爆撃機「Tu-160」の2機をベネズエラに派遣して、軍事訓練を行った。ロシアの戦略爆撃機による冷戦後初の西半球着陸となった。同年12月、両国はカリブ海で海軍共同演習を行った。ロシアには、ベネズエラやキューバとの安全協力を強化することで、米国のミサイル防衛構想をけん制するねらいがある。チャベス大統領が今回、ロシア機のベネズエラへの着陸に同意したことは、ロシアがラテンアメリカに戻る戦略的な意図と準備の進展を示している。ロシアとベネズエラは、国際政治や地域安全などの問題で見解が相似しており、大きな協力の余地を持っている。(編集MA)

 作者:劉桂玲(中国現代国際関係研究院研究員)

 「人民網日本語版」2009年3月20日

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