2009年3月31日    メールマガジン登録I-mode登録中国語版日本版
更新時間:08:09 Mar 31 2009

日本はどうして中国に侮られるのを恐れるか

 文=在日中国人学者 劉迪

 いま、日本の中国観は微妙な転換期にある。急速に発展する中国を目の前にして、日本は大国であるという気持ちを保持するのが難しくなっているようだ。例えば、中曽根康弘元首相は先ごろ、「日本はしだいに小さく、弱くなっているが、隣国の中国は大国として発展している。しかし、日本も大国である。日本の政治は日中関係を大国間の関係として扱わなければならない。もしこの関係を上手く扱うことができなければ、日本は『中国は大国で、日本は小国である』という劣等感に支配されることになる」と発言した。さらに、「日本の政治家は中国に対して、大国同士の大人の付き合いをするべきだ。国民とともに『日本も大国である』という自覚を持つ必要がある」と強調した。日本側のこのような意識は、当面の中日関係の新たな要素と言える。

 歴史的に見て、日本人の中国に対する感情は、「敬慕」から「蔑視」、そして「嫌悪」へと変わり、現在の「心配」に至っている。長い間、日本は中国を儒学の故郷と見なし、学者として憧れていた。しかし明治以降、日本の学者は著作の中で中国人を「傲慢」「私利私欲をむさぼる」「死を恐れる腰抜け」「公徳心に欠ける」「愛国心がない」と批判し、中国は「卑劣」で「混乱」していると述べた。現在でも一部の極右翼の中には、中国は完全に無視してもよいという見方があり、今日に至るまで、そのような中国蔑視の考えはなくならない。しかし、昨年の四川大地震の際の中国人民の高度な助け合い・自己犠牲の精神は日本を震撼させ、日本の中国観をある程度是正した。

 また、日本には「嫌中」意識も依然として存在する。中日関係の研究者は、日本人が「日本と中国は引っ越すことのできない隣人である」と口にするのをよく耳にする。実はこの言葉には、「『気に食わない』が引っ越すことはできない」という気持ちが隠されている。いくつかの研究によって、日本のマスコミの中国に関するマイナス報道が「嫌中」意識形成の主な原因であることは実証されている。例えば、「中国の国防費が大幅に増加」「中国の潜水艦が日本海域を侵犯」「東海の石油問題」「有毒食品の日本輸出」「在日中国人の犯罪」などといった報道が、日本国民の中国観の形成に大きな役割を果たしているのである。

 ただし注意しなければならないのは、現在の日本では「中国に侮られるな」という気持ちが大きくなっていることである。もともと、日本は中国に対してこのような気持ちを抱いていた時期があった。例えば20世紀初頭、中国学生の日貨排斥に際して、日本では「中国に侮られるな」という運動が起こり、これは軍隊を派遣して中国を侵略するまでに至った。

 第二の「中国に侮られるな」という気持ちは民族主義者の中に存在する。この気持ちはややもすると日本政府は「媚中外交」であるとか、中国の意見を重視し過ぎるなどと非難しがちである。それゆえこの一派は、中国に「毅然」と対抗すべきだと大きな声で叫んでいるのだ。

そして今日、第三の「中国に侮られるな」という気持ちを見てとることができる。一部の日本人は、中国が強大になった後、帝国主義の弱肉強食の方法で日本を飲み込んでしまうのではないかと心配しているのである。

 これらはいずれも日本が中国と交流する中での自信を反映していると言えよう。「侮られるのを恐れる」気持ちの背景には、日本の発展が減速している一方で中国の経済は急速に成長していることがある。日本の政府や国民、世論は国際秩序が大きく変化している中で、急スピードで動いている中国に直面し、遅れをとってしまったように感じているのだ。たくさんの不確定要素を目の前にしてナイーブになり、落ち着いていられないのである。このような時期においては、中国は知らず知らずのうちに日本が対策を講じる上での基準、尺度となる。例えば、昨年、中国がソマリアに海軍を派遣した際には、日本政府は繰り返しこのことに言及し、中国の行動を注視すると表明した。

 また、日本のマスコミが中国を報道する際にはある価値観に導かれ、「自分たちの考えは正しい」というイデオロギーに束縛されている。日本の世論や国民も中国の全体目標や外交政策に対する理解が足りず、このことも「中国にバカにされるな」という気持ちの主な原因になっていると思われる。

 日本の「中国にバカにされるな」という気持ちをどうやってなくせばよいのか。霊験あらたかな妙薬はない。中国の発展方向を説明・解釈する理論と論理を発展させることだけが、日本の心配をしだいに解消することができるのである。日本も気持ちを調整して、強大な中国と平和友好関係を維持する道を模索する必要がある。親米派のある大企業の社長は、日本は2000年にわたる中国との往来の経験を改めて振り返り、相互交流して適度な距離を保つ必要があると述べている。ある保守政治家も、これからは米国と上手くやっていくだけでなく、中国と喧嘩しないようにしなければらないと主張している。

 要するに、中日間はより前向きな未来を設計すべきで、距離を置いたり逃避したりしてはならない。未来の設計は相手を理解しようというお互いの気持ちから始まるのである。

 「チャイナネット」2009年3月30日

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