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戦略同盟を強化する米韓

 先日の米韓首脳会議で、米国が韓国への核の傘を含む「拡大抑止」の提供を初めて明文化したことに、世論は注目している。朝鮮半島情勢が緊張し、韓国国内で「核保有」の声が高まる中、この発表は極めて大きな象徴的意義を持つ。(文:孫茹・中国現代国際関係研究院美国所副研究員)

 だが今回の首脳会議の成果は、軍事協力の強化だけには到底止まらない。首脳会議で発表された「米韓同盟未来ビジョン」は▽経済貿易関係の強化を含め、朝鮮半島、アジア太平洋、グローバルの3範囲で「包括的戦略同盟」を構築する▽「自由民主主義と市場経済の原則に立脚した」朝鮮半島の平和統一を実現する▽核・弾道ミサイル計画の「完全で検証可能な」放棄を朝鮮に求める▽アジア太平洋地域の安全保障協力を支持する▽テロ、大量破壊兵器の拡散、気候変動、エネルギー安全保障などグローバルな試練に共同で対処する??としている。既存の協力分野以外に、地域・グローバル範囲の協力が米韓同盟の様相を再構築しつつあることは明らかだ。

 韓国での李明博政権の発足以降、米韓は包括的戦略同盟の構築を始めた。李大統領は就任後、金大中・盧武鉉時代に損なわれた米韓関係の修復に尽力し、「戦略同盟関係」の構築を打ち出した。対朝政策では、米国との協調を重視し、盧武鉉時代に弱体化した米韓日の協調体制を回復した。米韓は、駐韓米軍撤退の中止や概念計画「5029」の「作戦計画」への格上げについて、合意に至った。李政権はさらに、グローバル外交を展開して、平和維持・災害救援・戦後復興などの国際活動により積極的に参加するほか、世界の開発問題の解決への参与の度合いを強めている。これは米韓の戦略同盟関係の発展において、一定の基礎固めとなった。

 米国に目を転じると、オバマ政権発足により、米韓の戦略同盟関係は持続可能となった。オバマ政権は現在、金融危機、気候変動、核不拡散、アフガニスタンやパキスタンのテロといった問題の解決を、優先課題としている。こうした問題の解決において、米国は韓国に期待を寄せている。クリントン国務長官は2月に韓国を訪問した際、韓国との「さらに包括的な戦略関係」の構築を打ち出した。

 グローバルな米韓戦略同盟の登場は、既存の軍事協力の強化とともに、協力分野の積極的な開拓を意味する。地域・グローバル範囲の協力の拡大、各分野の共通利益の拡大が、同盟協力の新たな方向となる。だが朝鮮半島情勢が非常に不安定であるため、米韓同盟の重心は当面、「朝鮮の脅威」への対処であり続けるだろう。今年に入り米韓は、朝鮮問題への対応において、政治面では緊密な協議を継続。軍事協力面では、合同軍事演習「キー・リゾルブ」を過去最大規模で実施し、朝鮮の活動に関する情報を収集するため、相次いで軍艦を出動させている。朝鮮が2回目の核実験を実施したことを受け、韓国は「大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)」への全面参加を発表した。米韓の国防長官はシンガポールで行われた「シャングリラ会合」の合間に会談し、対朝軍事計画を協議した。ゲーツ米国防長官は同盟国への核の傘の提供を再度言明するとともに、断じて朝鮮を核保有国として受け入れない考えを表明した。

 米国にとっては、アフガニスタン・パキスタン両国でのテロの沈静化が目下の急務であり、韓国を含む同盟国が苦境にある米国を支えるために資金や人員を提供することを望んでいる。アフガニスタンの厳しい治安情勢や、07年に韓国人20人余りがタリバン武装勢力に拉致された事件があり、韓国はアフガニスタンへの派兵に慎重だ。この問題は、米韓が包括的戦略同盟を構築するうえでの試練となるだろう。(編集NA)

 「人民網日本語版」2009年6月24日

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