楊外交部長「中日両国、3つのレベルで協力強化を」
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楊潔チ外交部長 |
第11期全国人民代表大会(全人代)第3回会議の記者会見が7日午前、人民大会堂で行われた。楊潔チ外交部長が中国の外交政策および対外関係について、国内外の記者からの質問に答えた。
NHK記者: 日中関係についてお聞きします。まず、中国側は、日中両国の戦略的互恵関係をいかにして前進させようとお考えでしょうか。次に、アジア共同体を含むアジア太平洋地域の協力に関して、どのような構想をお持ちでしょうか。最後に、東海問題についてです。日中両国には依然として意見の食い違いがありますが、中国側の態度が消極的だから、条約化に向けた交渉が難航しているとの見方が日本国内には少なからずあります。これについて、どうお考えでしょうか。
楊外交部長:日中関係には洋々たる前途が広がり、重要なチャンスに恵まれているため、両国は戦略的互恵関係の推進に努めるべきだと考えます。中日関係への戦略的投資をともに増やし、二国間レベル、地域レベル、世界レベルの3つの視点から互いの意思疎通と協力を強化する必要があります。それとともに、両国の実務協力にも大きな潜在力があると認識しています。伝統的な分野のほか、エネルギーや環境、循環型経済、ハイテクなどの分野にも、新たな、重要な協力のチャンスが潜んでいます。これら新しい戦略産業における協力には大きな潜在力があります。同じくアジアに位置する中国と日本は、ともに手を携えてアジアを盛り上げていくべきです。
アジア太平洋地域協力についてですが、中国は全面参加し、意欲的に推し進めてきました。多くのイニシアティブや主張を行い、この地域の平和と安定、そして発展のために独自の貢献をしてきました。現在、この地域の協力はさまざまなメカニズムやレベル、スピードで発展に向かっています。各国は「開放と包容」の態度を取るべきだと考えています。それぞれのメカニズムは重点が異なるため、補い合い、促し合っています。中国は、地域統合や、政治レベルでの相互信頼、実務協力、共同発展の促進につながるイニシアティブであれば、開放的かつ意欲的な姿勢で議論に参加します。また、東アジア地域協力におけるアセアンのリーダーシップを一貫して主張、支持してきたことも付け加えておきたいと思います。もちろん、その他の国の積極的な提案や努力も歓迎いたします。これも中国の姿勢です。
中日両国は一衣帯水の隣国です。東海問題における意見の食い違いについて、中国は、両国の戦略的互恵関係と両国人民の根本的利益を守るため、協議と交渉により、善処することを一貫して主張してきました。中国の態度は前向きであり、消極的なものではありません。東海問題に関する原則的合意に達しましたが、これは両国の長期的な努力の結果で、得難いものです。大切にしなければなりません。両国は東海問題に関する原則的合意の精神を守り、その実現に向けて条件をつくることにより、東海を「平和、友好、協力」の海にするべきだと考えます。(編集YT)
「人民網日本語版」2010年3月8日