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国境紛争や海上護衛、中印の軍事関係に影響

 中国現代国際関係研究院研究員・馬加力

 中国とインドの安全をめぐる関係は非常に敏感な問題だ。その関係は両国の相手側の安全戦略に対する総合的判断にかかわっており、両国の政治関係の行方にもかかわっている。当面の状況の中、我々はこれまで以上に、両国の軍事と安全の関係を真剣かつ冷静に観察し、問題の病巣を摘出し、創造性ある提言を行い、有効な信頼構築のための措置を講じることで、中印の平和と繁栄に向けたパートナーシップがより豊かな内容を備え、より硬い基礎を築けるようにすべきである。

 過去10年余りの間、双方が共に努力したことで、中印両国の安全をめぐる関係が著しく改善されたことに目を向ける必要がある。それは主に以下の面に見られる。

 一.両国政府は互いに脅威にならないとの政治的意思を表明した

 インドの大統領が2000年に中国を訪問した際、中印双方は公式文書の中で互いに脅威にならないことを明確に表明した。両国の指導者や高官はその後から最近に至る数多くの会談でも、依然として同様の考えを表明してきた。

 中国側から見れば、中国は一貫してこうした判断を堅持してきた、即ち、中国が直面する主要な脅威は決してインドからのものではない、ということだ。インド政府の表明から見れば、インドは中国と良好な二国関係を発展させたいと願っており、国際舞台において協力と協調を強化したいと望んでいる。

 二.両国の軍指導層は比較的頻繁かつ緊密な往来と接触を展開した

 新世紀に入って以降、両国の国防大臣は何度も相互訪問を行っている。03年、フェルナンデス国防大臣が中国を訪問、対中姿勢を180度転換した。同年、中国の副総参謀長と別の2つの軍代表団がインドを訪問した。04年、曹剛川・国防大臣がインドを返礼訪問し、インドの陸軍参謀長が中国を訪問、軍事科学院と国防大学の2つの代表団もインドを訪問。05年5月、中央軍事委員会委員の梁光烈・総参謀長がインドを訪問し、インド軍トップと会見した。06年5月、ムカジ国防大臣が訪中。非常に敏感な航空宇宙指揮制御センターを参観し、曹国防大臣と会談後に「国防分野での交流と協力の強化に関する覚書」に調印したほか、軍事訓練や軍事演習、反テロでの協力、海賊取締り、共同の救済支援、人的往来の面での協力の適正化、長期化、拡大化を提言した。08年11月初め、中央軍事委員会委員の呉勝利・海軍司令官に続き、12月には馬暁天・副総参謀張がインドを訪問して第2回防衛安全協議を開催。09年、中国は中印国境地帯の防衛責任者である将軍数名の訪中を要請、北京や成都、ラサにある相対的に敏感な軍事施設を視察してもらうことで、善意を示し、疑惑を取り除き、中国側の西南方面駐留軍にインドを敵視する意思のないことを明確に表明した。

 三.両国の軍隊は様々な面で信頼構築の措置を講じた

 96年に両国政府が「中印国境実質制御ライン地区における軍事分野の信頼構築に関する措置の決定」に調印して以来、両国の国境部隊は信頼構築に向けた一連の措置を実施してきた。例えば、03年11月、海軍が東中国海で合同救援演習を実施。04年、辺境部隊が合同登山演習。05年11月、インドが中国人民解放軍将校をラジャスタンで実施した軍事演習の視察に招待。12月、両国海軍はインド洋で合同演習を行った。07年12月と08年12月、両国陸軍はそれぞれ昆明とインド・ベルガウムで、コードナンバー「ハンド・ツー・ハンド」と銘うった合同反テロ訓練を実施。09年4月、中国はインド海軍を青島で行った「国際艦艇閲兵式」に招待、インドは戦艦3隻と総合補給艦1隻で構成する艦隊を参加させた。このほか、両国の国境部隊の意思疎通、接触も安定した状態にある。空軍も合同演習の可能性を検討しているところだ。

 もちろん我々も、歴史的な原因から、中印の間に安全をめぐり巨大な赤字が存在していることに目を向ける必要がある。

 1.国境紛争が両国の安全関係に影響を及ぼす根本的原因

 中印国境はまだ正式には画定されておらず、双方の議論は非常に幅広い。主観・客観的な面における様々な原因から、双方が近い内にこの問題を解決するのは依然としてかなり困難だ。国境問題は国家の核心的利益にかかわり、民衆の民族的感情にもかかわるため、自らの安全に配慮する重要な内容にならざるを得ない。現況から見れば、インド側は今、増兵を通じて紛争地区への軍事的占領を強化し、移民を通じて紛争地区への実質的支配を固定化している。とくにこの2年来、一部の高官による紛争地区への視察は、中国側の強い関心を呼んだ。

 2.信頼欠如が両国の安全関係に影響を及ぼす重要な要素

 中印双方には安全環境の問題においてある疑念が存在しており、その結果、往々にして戦略的相互信頼の欠如をもたらされる。こうした欠如は歴史的原因による「信頼の赤字」であり、または第三者の要素が間接的に輻射されたものである。インド側について言えば、インドは中国の強大さと台頭が国家の安全に影響を及ぼすことを懸念しており、中国とパキスタンとその他の国との関係が印中関係に影響を及ぼすことを懸念しているのである。中国は南アジア政策の調整に伴い、パキスタンと両国な関係を保持すると同時に、インドとの関係を大々的に発展させることを真に望んでいる。しかも、中国はインドとパキスタンが和平交渉の形式でその二国間関係を改善し、南アジア地区の平和と安定、発展を促進することも真に望んでいる。中国側について言えば、中国は米国がインドを取り込むことで中国の意図をけん制することを懸念しているのである。中国は、米国の「インドにアジアにおいてバランス作用を発揮するよう促す」との発言は実際、中国の戦略を封じ込める一部だと見ている。米国の「4年ごとの国防計画見直し報告」(QDR)や「国家安報告」といった政府文書には、一部こうした考慮に明らかまたは暗に触れた内容がある。多くの米国の戦略家はさらに、インドを支援して中国をけん制する意図を覆い隠すことなく表明している。インドの戦略家はこれをはっきりと見ており、インドは独立自主の外交政策を堅持し、米国に利用されることはないとの考えを示しているが、中国は警戒を怠るわけにはいかない。

 3.海上護衛が両国の安全関係に影響を及ぼす新たな要素

 昨年から、海洋ルートの問題に見られるようになった新たな状況も、インドに中国海軍の戦略的意図に対して非常に大きな疑念を引き起こした。周知のように、昨年来、インド洋アデン湾海域では海賊による船舶拉致事件が頻繁に発生しており、中国海軍は通過する中国商船の安全を保証し、正当な権益を擁護するため、国連の関係決議に基づき国際海域において護衛活動を実施した。だが、インドはむしろ、インドが伝統的に自らの勢力範囲と考えるインド洋に中国が進入し、関係する国との関係を発展させるのは、インドに対する戦略的は包囲であり、「真珠のチェーン」でインドを絞殺するものだと考えている。中国が講じた行動に対する誤解であるのは明白だ。

 中印は山水連なる近隣であり、両国は良好なパートナーシップを確立しなければならない。これは双方の利益に合致するものだ。両国の間には安全をめぐる観念の面で少なからぬ問題が存在しているものの、台頭しつつある大国として、軍事の安全面における圧力と挑戦を適切に処理する必要がある。戦略的な見地から、両国人民の根本的利益に立ち、過去の思考傾向を捨て去り、高遠な志を持ち、向き合いながら進み、軍事安全の分野でできるだけ信頼を増強し、協力を強化し、摩擦を減少させ、衝突を回避することが肝要だ。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月1日

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