2010年11月16日    メールマガジン登録I-mode登録中国語版日本版
人民網日本株式会社事業案内  更新時間:10:56 Nov 16 2010

APEC首脳会議利用し外交立て直しを目指す菅内閣

菅直人首相

 上海国際問題研究院 陳友駿研究員

 アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議が11月14日、日本の横浜で幕を下ろした。外交の泥沼にはまっている菅内閣は今回の外交会議で対策を練り、ホスト国という特別な立場を利用し、多国間外交のこの場を借りて外交立て直しを図ろうとしている。

 まず、菅内閣が苦労しているのは対米外交だ。中間選挙で完敗したオバマ米大統領は、アジアの同盟国である日本の慰めと支持を必要としている。菅政府と日本の民主党はオバマ氏が受けた圧力と実現したい目標をはっきり認識し、オバマ氏の戦略的要求を満たすために最大限努め、日米同盟の基礎をより強固なものにした。

 米連邦準備制度理事会(FRB)が先ごろ打ち出した6000億ドルの量的緩和策が日本に大きな打撃を与えることは間違いない。米国債をもっとも多く保有する日本はドル建ての外貨準備を大量に保有しており、米国の政策は日本政府の資産額を急速に縮小させている。また、量的緩和策は米ドルの大幅下落に直接繋がり、国際的な一次産品価格の上昇を速めた。したがって、資源を輸入に過度に頼っている日本において、米国の政策は日本経済の今後に大きな負担になる。さらに、金融危機の発生後、日本の国内経済は回復力に乏しく、デフレの高リスクは避けられず、日本は失業率が上昇し経済成長率が低すぎるという状況に直面し、菅政府は打つ手のない状態に陥っている。

 そのため、苦難に満ちた国内の矛盾を解決するには、菅内閣は外部の良策を用いて内部の圧力を和らげる必要がある。このとき、精神面でも、戦略面でも、日本の最強の盟友である米国の支持が活気づけの役目を果たすことは間違いない。日米首脳会談の開催は、日米の同盟関係が積極的で安定し、向上する良好な状態であることを示している。オバマ政府の積極的な態度は、日本国内の米量的緩和策などに対する不満を静めただけでなく、国民の今後の経済発展に対する懸念を和らげ、今後の日米両国の良好な経済貿易協力に調和・ウィンウィンの枠組みを提供している。

 次に、菅内閣はホスト国という貴重なチャンスを生かし、中国、ロシア、韓国など周辺国との二国間首脳会談を実現し、今回のAPEC首脳会議に「有意義で円満」という修飾語を添えた。中日間の漁船衝突、ロシア大統領の北方四島上陸の問題解決で、日本側のやきもきした対応やタカ派政治家による強硬すぎる対処法は、日本の中国、ロシアなど大国との外交関係に深刻な害を及ぼした。また、菅内閣は外交の経験に乏しく、対応の仕組みに弱点がある。外交で続けて点を失ったことで、日本国民の菅内閣に対する信用にも影響している。最近の国民調査では、日本国民の菅内閣支持率は40%以下まで下がり、「有意義、円満、成功」のAPEC首脳会議は菅内閣及び民主党が政治で点を稼ぐ絶好の場となっている。

 そのほか、アジア太平洋戦略的経済連携協定(TPP)も菅内閣の経済・外交の難点である。APEC首脳会議で、日本や米国などは機会を逃すことなくアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の話題を持ち出し、先進国が今後の貿易協定、共同体建設を主導する考えを十分に示した。『横浜ビジョン』の中で、「共同体」は今後のAPECの目標に位置づけられ、柔軟性に富み、戦略的目標を持つ主張となっている。このような点から、FTAAPは長期的な発展目標になり、TPPはこの目標の基本的、段階的な成果を生み出す可能性が高い。さらに重要なのは、地域の自由貿易協定が上述の通り進めば、米国などの先進国が地域貿易協定を主導し、経済自由化をリードする主体となることだ。積極的に参加する国の一つである日本も、ここから経済・政治面のダブルの収穫を得るだろう。

 要するに、APEC首脳会議は菅政府に外交のボトルネックを突破するチャンスを与え、菅政府も会議をうまく利用し、大国外交や周辺外交などの面で成果を高めることができた。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年11月16日

関連記事
  評 論
  中国メディアが見る日本 
  おすすめ特集

地方情報

北京|天津|上海|重慶|吉林|遼寧|河北|山西|山東|河南|江蘇|浙江|安徽|福建|江西|湖北|湖南|広東|広西|海南|四川|貴州|雲南|西蔵|青海|陝西|甘粛|寧夏|新疆|香港|澳門|台湾|黒竜江|内蒙古