殲20の登場をF35導入の口実とすべきではない
中国の「殲20」ステルス戦闘機の登場を受け、米国は殲20の性能を精一杯に誇張し、なおかつこれをF35売り込みの手段としている。だがカナダ紙「ザ・トロント・サン」(21日付)は「たとえ中国がステルス戦闘機を開発しても、カナダ空軍がF35を65機購入する必要があるとは限らない」と指摘した。「国際在線」が伝えた。
カナダのピーター・マッケイ国防相は以前「政府は軍に最良の装備を提供する決意だ」と繰り返し表明。「カナダから見て、F35は最先端の戦闘機だ。今後数十年間にわれわれの直面する試練を考えると、F35は軍の任務遂行上、最良の選択肢だ」と述べた。また「F35は海外での任務遂行に使用できるだけでなく、将来の相当長期間にわたってカナダの主権を効果的に守ることができる」とも強調した。
だがカナダ国内ではF35購入に対する疑問の声が絶えない。新民主党の国防論客、ジャック・ハリス氏は「このような変化(中国のステルス戦闘機開発)によってF35をめぐる議論が止むとは思わない。われわれは中国やロシアと軍拡競争を行なうことはできない」と指摘。さらに進んで「ロシアと中国は共に核兵器を保有しているが、われわれにも核兵器が必要だとほのめかす者はまだいないらしい」と強調した。
カナダ自由党のマイケル・イグナティエフ党首も20日、F35計画を切り捨てる決意を改めて明言した。イグナティエフ氏は、カナダ政府は自国のCF18「ホーネット」戦闘機の後継機として、非常に高価なF35ではなく、比較的安価な戦闘機を購入すべきだと指摘している。
一部の国は殲20の出現をF35購入の口実にしているが、これは成り立たないことがわかる。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年1月27日