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シリアは第2のリビアになるか

 現在シリア情勢は動揺が続き、展望は不透明だ。米国など西側諸国は制裁を強化している。このため米国がリビアモデルを踏襲して軍事介入し、シリアが第2のリビアになる可能性を指摘するメディアもある。だが筆者の見解は違う。「人民日報海外版」コラム「望海楼」より)

 少なくとも現在のところ、シリアが第2のリビアになる兆しはない。第1に、シリアとリビアは国情が異なる。シリアは国家機関が整い、政権基盤は安定している。一方リビアは様々な部落社会から成る国で、国家の統一は人為的になんとか保たれている部分が大きい。このため分裂のリスクが潜み、外国が軍事干渉する隙を与えている。一方シリアは共和制を敷いている。政権党のアラブ復興社会党(バアス党)は紀律が厳しく、高度に集権化されている。シリアの現政権は国家を御し、外敵を防ぎ止める強い能力を持っている。

 第2に、シリアは地政学上、独特かつ重要な位置にある。アジア、欧州、アフリカの3大陸をつなぐシリアは、古来「世界の心臓」と呼ばれてきた。また、現代国際政治においては「小国中、最大の国家」と称されている。米国など西側諸国にとって、地政学上重要なこのような国は易々とは攻撃しにくい。もし米国がシリアでも戦端を開けば、イランも巻き込み、ヒズボラも米国と敵対する可能性が高い。こうなると中東情勢は動乱を免れ得ない。今回米国は口先だけで行動は伴わないだろう。

 第3に、シリアは中東地域における敏感な国家で、その一挙一動が域内の各パワーに影響を与える。特にイラン、イラク、サウジアラビア、パレスチナ、イスラエル、トルコ、レバノン関連の問題において、シリアは不可欠の重要な参与者だ。シリアが転覆されれば、中東の固有のパワー構造と勢力均衡が崩れ、天地を覆すような変化が生じるし、中東地図が塗り替えられることすらあり得る。現状を見るとイスラエル、イラン、サウジアラビアなどは、シリアの敵国であれ友好国であれ、いずれもシリアが第2のリビアになることを望んでいない。アサド政権の退陣はなおさらだ。地域諸国の支持なしに西側諸国が事を成し遂げることは困難だ。

 第4に、シリアのアサド大統領はリビアの指導者カダフィ大佐よりも人受けがよい。カダフィ大佐は生来荒馬で人に従わず、我が道を行くタイプだ。アサド大統領は上品で礼儀正しく、発言も慎重で、他国の指導者を罵ったことなどない。アサド大統領はカダフィ大佐よりもずっと人受けが良く、米国など西側諸国がシリアを叩こうとしても、アラブ諸国の多くは承諾しないだろう。

 シリアで起こる全ては、アラブ各国の情勢の動揺が外部に流出したことによる現実の反応だ。だがシリアはすでに、ムバラク大統領の退陣とカダフィ大佐が抵抗し持ちこたえていることから、正負両面の教訓を汲み取った。シリアの高圧的政策は「動乱の奔流」の来襲を防ぐ堤防を築くに十分だ。政治の先行きに関わる重大な問題においてアサド大統領が軽々に譲歩することはないと一般に見られている。様々な要素の制約から、シリアが第2のリビアになる可能性も小さい。(編集NA)
 
 「人民網日本語版」2011年5月12日

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