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未来のアジアにおける日本と中国の役割

 日中関係に関する研究はたくさん存在するが、ヨーロッパの学者による研究はかなり少ない。これはおそらく地縁的な問題もかかわっているのだろう。かつて日本の金融界で活躍し、東京大学や慶応大学で教鞭をとった経験のあるパリ政治学院教授のクロード・メイヤー氏は特例といえるだろう。メイヤー教授は世界のビジネスや学界に携わり、グローバルな文化背景をもつ人物である。メイヤー教授のアジア問題に関する論文は常にフランスや世界からの注目を浴びている。今回はメイヤー教授の著書『アジアのリーダーになるのは中国か日本か』を取り上げてみたいと思う。

 『アジアのリーダーになるのは中国か日本か』は主に、未来のアジア共同体の中で、中国と日本がどのような役割を担うのかについて解説し、日中両国の強みと弱みを客観的に論じたものである。メイヤー氏は同書の中で、両国の過去30年における成長過程を「龍の覚醒」、「相撲の強靭性」と形容した。

 周知の通り、二千年以上に渡る日中交流史において、中国人の「日本観」は「東夷観」から脱却できておらず、一方、日本人の「中国観」には中国の盛衰に伴う明らかな「実用主義」の特徴が現れている。

 メイヤー氏の分析によると、中国改革開放から30年の「龍の覚醒」は実際のところ、非常に「脆弱」であるという。中国の成長は、過去そして現在においてバランスを著しく崩した金融・貿易システムによるものが大きく、長期的に続かない。中国経済発展モデルの中心であるエネルギーや資源の優位性も長続きはせず、また、中国には他国よりも深刻な社会の不平等、環境の悪化などの問題が存在する。一方、中国とは逆に、日本はエネルギー、資源、市場の外部依存が異常に高い。以上のことから分かるように、「強大だが脆弱」という形容が両国にはぴったりである。日中経済成長の「奇跡」の裏には、「強大だが脆弱」という共通点がある。

 メイヤー教授によると、中国の目標は「富裕で強大な国家」を築くことであるが、これは日本が1868年の「明治維新」時に掲げた目標と一致している。「明治維新」により、日本は世界の強国となった。現在、両国の立場には変化が現れている。日本は依然としてアジアの絶対的な経済リーダーであるが、憲法の制約により、中国のもつある種の戦略を採用できないでいる。中国が経済上の差を埋め、世界強国になるべく尽力しているのに対し、日本は「正常化」を通して、アジアならびに世界における地位を固めようとしている。

 中国の「富裕」と日本の「正常化」。この言葉の裏には、強大な国を築こうと追求する考えが隠されているが、一体、日中両国は今後のアジア経済、アジアの構造にどのような影響を与えるのだろうか?真のパートナーシップを築き、リーダーの立場を共有することで、アジアの繁栄と安定を図るというのは現実的ではないのだろうか?それとも、このような結論を下すのはまだ時期尚早なのだろうか?

 メイヤー教授は、この一連の問題に回答するためには、日中関係の今後の動向を分析しなければならないとしている。ここで筆者の考えた今後の日中関係に関する「3つの仮想」を紹介したい。その3つとは、「日本が中国に従う」、「衝突する」「協力関係を結ぶ」である。1つ目の「日本が中国に従う」であるが、中国がアジアで強力な力を誇っていた時代には、多くの国が中国の秩序に従っていた。しかし、日本はどの時代にもこの秩序を受け入れたことはない。1つ目の仮想から2つ目の仮想「衝突する」が生まれた。日中両国は、自国の領土や安全が脅かされた場合、自国の利益を保護するために武装で対抗する可能性がある。3つ目の仮想「協力関係を結ぶ」というのは、日中両国がアジア共同体の基盤となり、フランス、ドイツがヨーロッパを一体化させたときのような役割を示すことである。

 当然、メイヤー教授がこのような白黒はっきりした仮想を発表するはずがない。メイヤー教授は今後の時代を2つの段階に分けて説明した。第1段階は今後20年である。今後20年においても日中両国はアジアのリーダーであり続ける。日本が人口が低下し縮小した国内市場の埋め合わせるために、巨大なアジア市場を利用する一方で、中国はアジアのリーダーという立場を利用して世界大国としての地位を確立しようするという。第2段階は2030年~2050年である。この時期に関して、メイヤー教授は、不透明な要素が多く、2030年以降のデータの正確性が把握できないとして、具体的な分析を行っていない。(『アジアのリーダーになるのは中国か日本か』著:クロード・メイヤー 訳:潘革平 社会科学文献出版社2011年1月初版)

 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月13日

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