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イラク駐留問題、進退きわまる米国

 米政府は先日「イラクが米軍に2011年以降の継続駐留を求めた場合、喜んで同意する」と放言した。現在イラクにはなお4万6000人の米軍が駐留している。米国は2011年以降もイラク国内の9つの軍事基地に1万-1万2000人の軍隊を最高4年間駐留させる意向との情報がある。つまりオバマ大統領が2012年に再選された場合、二期目の終了まで駐留するということだ。米メディアからは政治責任のたらい回しとの指摘が、イラク政界の一部からは火遊びに等しいとの指摘が上がっている。

 オバマ大統領は就任当初、駐イラク軍について2010年8月31日までの大部分撤退、2011年末までの完全撤退を宣言していた。意気高らかな選挙公約と政権運営の現実はしばしば齟齬をきたす。イラク撤退問題における迷走は、米国政治の規則的現象とも言えよう。だがこの迷走はイラク問題における米国の進退きわまる苦境も露呈した。

 ゲーツ米国防長官はイラク駐留継続について「イラクの未来と同地域における米国の利益」を考慮した結果だと述べた。今年に入ってからの西アジアおよび北アフリカ情勢の動揺は中東の政治構造に計り知れない影響を与えている。イラクとイランはいずれもシーア派が権力を握る国だ。イランとスンニ派諸国との間に位置するイラクは地政学的な断層上にある。米国はイランがイラクを飛び板に利用してシリアとレバノンのシーア派武装勢力を支援することを懸念している。また、イラクのマリキ政権は一貫してイランとの関係改善に取り組んでおり、イラクの政治・経済政策に対するイランの影響力は高まり続けている。米国はこれを強く懸念し、イランの支持を受けた政治勢力がイラクの政権を乗っ取ることを恐れている。米情報機関は最近のイラク武装勢力による駐イラク米軍への攻撃の背後にイランの影があると指摘している。

 イラク国内の治安状況も米軍の駐留継続の理由だ。米国はイラク海空軍にはまだ領海、領空を守る能力がないと見ている。イラクの重要な石油輸出ルートは依然危険にさらされており、イラク治安部隊はアルカイダ組織との戦闘を継続している。北部の石油産出地をめぐるクルド人とアラブ人の暴力的争奪も続いている。

 だが米国はイラク駐留継続の難しさもよく理解している。ゲーツ長官は米軍に駐留延長を求めることはイラク指導者にとって「政治的試練」だと率直に述べている。首都バグダッドに駐在する米外交官は、米軍の駐留継続に対してイラク国民が「強い抵抗感」を抱いていることを認めている。

 こうした状況の下、米軍の駐留継続問題はイラク各党にとって「誰も受け取りたくない火の玉」となっている。マレン米統合参謀本部議長はすでに先月、米軍の駐留継続を求める決定を早急に行うようイラク側に求めたが、まだ回答はない。米国にしてみれば、イラク各派の合意が形成されないまま圧力をかけ過ぎるのは目標達成を難しくするのみならず、国内政局を乱す可能性すらある。(編集NA)

 「人民網日本語版」2011年5月30日

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