南スーダン、「立国」は「独立」より難し
9日、新国歌が流れる中、南スーダン共和国の国旗がゆっくりと掲揚された。人々の歓喜と歓声の中、世界で最も若い国、南スーダン共和国が誕生した。
▽南スーダン人、いまだ憂慮は晴れず
現地の役人や人々に取材したところ、南スーダン人は独立と自由の喜びをかみしめつつも、決して有頂天になっているわけではなく、むしろ憂慮に満ちていることがわかった。南スーダンでは過去50年間、北部政府との間で2度にわたる内戦が勃発し、苦難を経験している。このたび南スーダン共和国が誕生したことで、2つの国はこれを機に平和、和睦、発展の新たな時代に入ると見られている。
9日に行われた駐南スーダン共和国中国大使館のプレート除幕式で、南部スーダン暫定議会のワニ議長は「新国家の誕生は南スーダン人民にとって偉大な勝利であり、我々は自国の前途に対し、自信と楽観に満ちている。生まれたての新生児と同じく、立ち上がり、歩き、泳げるようになるためには、我々は様々なことをゼロから学ばなければならない。南スーダンは世界各国の助けを必要としている。友好的な中国に水泳の仕方を教わり、この難関を乗り越えていきたい」と述べたが、まさにこのとおりの状況だと言える。
内戦期間中、南部スーダンは北部と隔絶し、極度の貧困に陥った。この「新生児」は誕生と共に「世界で最も発達の遅れた国の1つ」というハンデを背負うことになった。国連の統計によると、南スーダンは女性の死亡率が最高、児童の入学率が最低の国の1つであり、人口の90%以上は1日あたりの収入が1ドル以下、人口の5分の1が飢餓に苦しんでおり、清潔な飲用水が飲める人口はわずか約3分の1、人口の80%以上が非識字者だ。
このほか、南北スーダンには歴史的問題も残されている。境界線の問題、係争地アビエイの帰属及び石油利益の配分、債務分担、南北国民の身分確定などはスーダン政府にとって解決が待たれる重要な問題だ。南スーダン共和国の独立は容易ではなかったが、「立国」は「独立」よりも難しい問題だ。