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キッシンジャー『中国論』はなぜ全世界で注目されるのか?

 全世界を見渡すと、政治経験を持ち、かつ長年にわたり要職にあり、中国の歴史・文化と現実の政治に通じ、中国首脳と頻繁に面会する機会のある学者は指折り数えるほどしかいない。深い学問的基礎と戦略思想を備え、合従連衡に長じ、よく書物を著わして独自の観点を示す人は、中国とつきあう政府関係者の中で多くはいない。中国の実業界、文化界が自らの関心事を持つことを理解し、時空を見通す視野と国益を考える立ち位置を強調する。「高官、メッセンジャー、学者」という多くの顔を持つキッシンジャー氏は、間違いなく独特な地位にある中国問題専門家であり、その著書『中国論』は再び全世界の注目を集めている。

 数多くいる中国問題専門家のうち、一部の人々は中国について多く知るほど反中になる。別の人々は知るほど理解が深まり、結果として徐々に親密感を抱く。キッシンジャー氏が前者でないのは明らかだ。だがキッシンジャー氏が「中国論」の前書きで述べているように、彼は「終生米国人の視点から平和構築の道を再考してきた」のであり、正真正銘の米国の国益の守護者と言える。さらに抑制・均衡外交に精通し、権力のシフトを憂い、イデオロギーを重視してきた。いくつかの問題に対する彼の見解と分析からは「米国中心主義」または「西側中心主義」の痕跡も拭いがたい。例えば2つの世界秩序の視点からアヘン戦争を読み解き、中ソ首脳の駆け引きの視点から朝鮮戦争を分析している点などは、中国の読者には納得できないものだ。また、自分の観点を成り立たせるため、事実確認を経ていない対話記録を引用することも時に辞さない。これは間違いなくその観点の信頼度に影響を与えている。数冊のベストセラーから中国メディアやエリートが「必勝主義観」を信奉しているというような結論を導き出すに至っては、いかがなものか。

 中国に対するキッシンジャー氏の見方は、まず中国の独特性を理解したうえで、これを切り口に中国の歴史と文化を解釈し、中国の人物と歴史を認識し、中国との付き合いの加減とペースを把握することにある。同書では「囲碁とチェス」によって中国と西側の戦略思考、軍事理論の違いを比較しているが、これはすこぶる真に迫っている。毛沢東の「隠喩式」対話スタイルを気に入ったことを度々滲ませている。また、戦略的・長期的視点から中国と中米関係を認識している。これは現在の米国の政客や学者の多くに欠落しているものだ。

 キッシンジャー氏は異変にも慌てず、大をつかみ小を放つ能力に長け、一時、一事のために中米関係発展への決意を失うことはない。現象を通して本質を見、内政を通じて外交を見ることができる。「中国脅威論」が方々から起き、「中国強勢論」がはびこる中、キッシンジャー氏は「米中間の決定的な競争は軍事競争ではなく、経済競争、社会競争だろう」「米国が競争力を高めるには自らを頼みとすべきで、中国に肩代わりをさせるべきではない」と指摘する。これらの論断は中国の発展をめぐるまことしやかな話の急所を突いていると言えよう。

 さらに得難く尊敬に値することに、キッシンジャー氏は時代と共に進化し、たゆまず知識を新たにし、視野を調整し、観念を改め、対策を練ることができる。『中国論』を書き上げた時点ですでに88歳近くの高齢だったが、体は老いても心は老いず、活力ある思考を保っている。近年の中米関係の起伏と中国外交の新たな変化に対して、キッシンジャー氏は「ある種の困惑」を抱いていることも隠さない。キッシンジャー氏は『不機嫌な中国・中国が世界を思いどおりに動かす日』『中国の夢』を読み、新時代の中国の民族主義感情を理解しようとしている。中国高官の長文を読み、中米関係の推進と平和的発展路線の堅持への中国政府の決意と意志を把握すべく努力している。20世紀の英独対立について勉強し直し、新時代の中米関係のために新たな枠組みを模索している。キッシンジャー氏の打ち出した「中米共同進化」論と「太平洋共同体」構築構想は政界と学界から注目されている。

 キッシンジャー氏は中米関係発展の道程に参与し、推進し、その中で中国に対する理解を深め続けてきた。『中国論』の最後では「米中が世界を揺るがすだけではなく、一致協力して世界を建設することができたら、どれほど高い頂上に達することか!」と記している。実際、国交樹立以前から風雨の中を前進してきた中米関係は、すでに一つ、また一つと高い峰を越えてきた。次の峰を越えることは、中米両国民、さらには世界各国民の期待するところであり、時代の大きな趨勢にも合致するものだ。これを達成するためには、中米両国が時代と共に進化し、相互認識を深めることが間違いなく必要だ。(編集NA)

 「人民網日本語版」2011年8月5日

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