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評論:中東の動乱に常態化のおそれ

 中東の動揺は始まるやいなや国際社会から強く注目されたが、現在では膠着状態を呈している。当初西側メディアはこれについて、民主化のうねりがアラブ世界に到達し、西側の価値観がアラブ人に受け入れられつつあると考えた。「アラブ世界は西側の民主制度を受け入れるだろう」と予言する者までいた。半年が経ち、こうした見解は次第に声をひそめてきている。(文:呉建民・欧州科学院副院長。「人民日報海外版」コラム「望海楼」掲載)

 私は今年7月にフランスで国際会議に出席した際、アラブ世界の識者数人と接触した。彼らはアラブ世界が以前の状態に戻るのは不可能だと声を揃えた。この変動は主に内部要因によるものだ。緩慢な経済成長、人口急増、高い失業率。教育水準は高まったが、卒業後に職がない。さらに汚職、腐敗が加わり、青年は希望を見いだせない。中東の大きな動揺は、現状の改変を人々が望んでいることを示している。これは非常に明白だ。

 中東、北アフリカ各国での事態の推移を見ると、アラブ世界の動揺は常態化するおそれがある。これは非常に憂慮すべき事態であり、われわれも心の準備が必要だ。

 今回の動揺の根源は経済にあるとの認識で国際社会は一致している。動乱の沈静化には経済成長が必要だ。急速な経済成長を図り、雇用を創出し、卒業生たちに職を与えることだ。だが現在の多くの国々の現状からは、こうした展望は全く見えてこない。経済成長への深刻な影響は明らかだ。あるアラブ経済の研究機関は、エジプト、ヨルダン、レバノン、モロッコ、シリア、チュニジアの経済成長率が2010年の4.4%から今年はマイナス0.5%へ大幅に下落すると予測している。中でもエジプトはマイナス2.5%に急落する見込みだ。

 動揺の発生形式はそれぞれ異なるが、多くの国では内戦は勃発しておらず、平和的方法による勢力争いが繰り広げられている。こうした国々に共通するのは、動揺発生前に反対派の勢力が比較的弱かったということだ。それが今日では各勢力が、さらに強大な権力を掌握しようと手ぐすね引いている。だが強大で、厳しく組織化された政党を作り、庶民から支持される政治綱領をまとめ、経済回復・発展を促すことは、口で言うほどたやすくはない。

 私は今年6月にキッシンジャー博士と中東の変動について議論する機会があったが、キッシンジャー博士も事態を楽観視していなかった。キッシンジャー博士は「中東の変動は5幕の劇のようなもので、今は第1幕が始まったばかりだ。今後長い道のりを歩まねばならず、どのように推移するかは予測困難だ」と指摘した。

 中東は石油・天然ガス資源が世界で最も豊かな地域だ。世界は中東のエネルギー、資源に強く依存しており、地域の安定とエネルギー供給の継続を望んでいる。世界各国に共通するこの点を基礎に、国際協力を進められる可能性はある。(編集NA)

 「人民網日本語版」2011年8月12日

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