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シリア問題決議案:拒否権行使によって理性を取り戻すよう呼びかけた中国

 10月5日に行われたシリア問題に関する国連決議案の採決で中国とロシアが拒否権を行使したことをメディアは大きく取り上げた。「行動を起こすべき時には行動を起こす」と、正義のために声を上げた中国を称賛する声もあれば、遠く離れたシリアの肩を持つ価値はあるのかと疑問を呈す声もある。「中国がついに反対票を投じた」と、中国が態度を鮮明にしたこと自体を進歩と捉える声もある。

 拒否権の行使は容易なことではない。拒否権は5つの常任理事国に与えられた特殊な権利であり、それ以上に極めて重い責任である。中華人民共和国は1971年の国連復帰以来、7回しか拒否権を行使したことがない。これは常任理事国中最少であり、中国の慎重な姿勢を十分に物語るものだ。今回シリア問題において中国が拒否権を行使したのは、一時的な衝動によるものではなく、道義の堅持と現実的な考慮に基づくものであると信じる。

 第1に、国連憲章の精神と内政不干渉の原則を守ること。国連憲章で確立された主権の平等、紛争の平和的解決、武力の不使用という原則は、第二次大戦後の国際関係の発展を指導する基本的準則となった。安保理の最も重要な責任は世界や地域の平和と安全を守ることだ。換言すれば、ある国の情勢が世界や地域の平和と安全を脅かす時以外、安保理は介入すべきでない。シリア問題は本質的に一国の内政であり、シリア人民が自らの意志で、話し合いによって解決すべきだ。かつて植民地の苦しみを嘗め尽くしたシリアとシリア人民は政権側であろうと反体制派であろうと、外国による干渉と占領に反対し続けている。同じ道理で、ロンドン市街の騒乱、ニューヨークの「ウール街占拠」抗議活動に対して、公共秩序を守り、社会の安定を実現する主たる責任を担っているのは当事国の政府だ。新たな時代において、内政不干渉原則は時代後れになるどころか、その現実的意義を一層強めている。

 第2に、中東地域の平和・安定を守ること。シリアは中東の戦略的要衝に位置する。イラク、イスラエル、レバノン、ヨルダン、トルコに隣接し、パレスチナとイスラエル、シリアとイスラエル、レバノンとイスラエル、イランとイスラエルといった複雑で敏感な関係に影響を及ぼす中枢だ。歴史を振り返ると、シリアは中東戦争のたびに、その動きが全局面に影響を及ぼすとも言える重要な役割を演じてきた。シリアの平和・安定維持は地域諸国の利益および国際社会の共通利益に合致する。現段階で必要なのは圧力と威勢ではなく、シリアの政府と反体制派が幅広く参与する包括的政治対話の早急な始動だ。シリア政府は武器を片付け、改革を推進し、民衆の訴えに真摯に応えるべきだ。反体制派も交渉のテーブルに就く誠意と勇気を示すべきだ。安易な制裁の発動やその威嚇は、問題解決に無益であるのみならず、反対に火に油を注ぎ、情勢の一層の悪化を招くおそれがある。

 第3に、「リビアモデル」の再演を拒否すること。西側諸国はリビア問題の本質をすり替え、「飛行禁止空域」を設定して市民を保護するとの名目で、リビアの政権を武力転覆した。中国、ロシア、インド、ブラジルの棄権票によって、西側諸国の約束した市民の保護が果たされることはなかった。実際にもたらされたのは、さらに多くの市民の犠牲と人道上の危機だ。NATOの狂気じみた大爆撃によって壊滅したのはリビアの軍事施設だけではない。西側諸国に対する国際社会の信頼も吹き飛んだのだ。ブラジルのルセフ大統領はその後、「われわれは『保護責任』について考えるだけでなく、『保護する中で担うべき責任』についてもっと考えるべきだ」と指摘した。シリア制裁決議案を前に、人々は「これは『リビアモデル』の再演にゴーサインを出すものではないか?次に西側は『保護責任』の名目でシリアに武力を行使するのではないか?安保理は一体強権の道具なのか、それとも平和の守護者なのか?」と繰り返し考えざるを得なかった。熟考に値する疑問だ。

 鋤に打ちかえられる剣、銃身を縛られた銃。国連本部の外にある2つの彫像は「剣を鋤に打ちかえる」「戦を止め得ることこそ真の武である」とのメッセージを発し続けている。21世紀の今日、国家間の関係の処理はより寛容で非難の少ないもの、より協力的で対立の少ないものであるべきだ。安易に制裁に訴え、さらには武力で威嚇する冷戦思考はとうに支持されなくなっている。平和を求め、発展を図り、協力を促すという時代の本流に逆行するものだ。対話や交渉など平和的手段によって紛争や溝を解決し、各国人民が自ら選択した発展の道、国内問題を自ら解決する権利を尊重することが、理性的な選択だ。こうした理性に立ち戻るよう、より多くの国々に呼びかけること。今回中国が拒否権を行使した意義はここにある。(編集NA)

 「人民網日本語版」2011年10月13日

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