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警告:「アジア世紀」は「アジア悲劇」の始まり

 冷戦終結後、アジアの戦略環境は大きく改善、中国とASEAN諸国との間には非常に強い信頼・友好関係が築かれ、外界でも広く賞賛を得ている。しかし、ここ最近、米国のアジア太平洋地域「回帰」に伴い、ASEANの対中姿勢や行動に、微妙な変化が出てきている。

 「口論による協力関係の破壊」や「猜疑心による友情の軽薄化」が続けば、ASEANは必ず現有の発展軌道から逸脱し、中国とASEANの協力体制を損なうだけでなく、アジア地域一体化にもマイナスの影響を与えることになるだろう。「アジア世紀」も外部勢力により、アジア各国間の混乱と引きずり合いの中、最終的に「アジア悲劇」と化してしまうだろう。

 ASEAN内部の主な問題点は以下の3つである。まず、もともと内部における調和能力が不足しているところに、その拡大により更にその内部調和と利益整合を難しいものにしてしまったことである。ASEANは内部加盟国間の領土トラブルや武力衝突などの問題解決において、外界の期待する役割を果たせていない。加盟国の意見はてんでバラバラ、更に、それぞれが「国家利益第一」主義に走り、一体化の意識が薄く、団結力を発揮する協調性に乏しい状態だ。

 2つ目の問題は、ASEANの中核指導力が弱まっていることである。ここ数年、リークアンユー、マハティール・ビン・モハマド、スハルトのような威信ある優れたリーダーがおらず、衆望を担う指導者組織も存在していない。

 3つ目の問題は、ASEAN加盟国はそれぞれの理想を抱く、いわゆる「同床異夢」の状態で、ASEAN発展に専念しているわけではない。伝統的なシンガポール、マレーシア、インドネシアの「トロイカ」の中で、ASEANに強い熱意を持っているのはシンガポールだけで、マレーシアはマハティール・ビン・モハマド前首相離任後、ASEANへの興味が薄れ、インドネシアはG20加盟後、ASEAN熱は冷めたものの、ASEANリーダーとしての「政治資本」は必要なため、ASEAN解散は困るというジレンマを抱え、その態度は曖昧なものとなっている。「新参者」のベトナムは実に日和見主義者であり、ASEANを国家利益及び大国政治抱負を実現するためのツールと見なしてはいるものの、実際には米国、インド、ロシアなどの大国と友好関係を築き、その中で、「バランス・オブ・パワー(勢力均衡)」役を担うことに対し、強い関心を抱いている。

 独立自主の固持、発展への集中力、大国との安定的関係の維持なくして、ASEAN成功は語れない。過去10年間におけるASEANと諸大国の関係の中で、最も成功したのが中国との関係である。しかし、最近のASEANによる一連の行動は、外界に消極的なシグナルを発し、中国に対する「危険なバランス・オブ・パワーゲーム」が始まったことを示している。この主体的且つ急激な戦略調整により、ASEANが長い間回避してきた「中米究極の選択」の戦略苦境が見え隠れし始めている。

 もし、ASEANが内部の団結を維持できず、外部の挑発に乗って「バランス・オブ・パワーゲーム」に介入すれば、ASEAN分裂か、区域外の某大国の従属国と化すか、大国間トラブルの犠牲品となる等のリスクが生じるだろう。ASEANの政治エリートたちは真面目に反省し、改めて政策を選択する時期に直面しているといえる。

 (著者:中国人民大学国際関係学院金燦栄副院長、中国現代国際関係研究院董春嶺研究者)

 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年12月4日

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