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人民日報:「太平洋の世紀」は誰のものか?

 クリントン米国務長官は先月、米誌フォーリン・ポリシーへの寄稿と、それに続く米東西センターでの演説で、太平洋の世紀は米国の世紀だと主張。「米国外交は転換点にある。イラク戦争が終結に近づく中、アジア太平洋地域は世界の戦略的・経済的中心となりつつあり、米国の外交戦略の中心ともなる。今後10年間の米外交の最も重要な取り組みは、この地域への投入を強化すること、特に米日韓の安保同盟を強化することだ。地域の多国間協調への参与、米国の貿易と投資の拡大、広範かつ安定した軍事的プレゼンスの確立、成熟した安保・経済枠組みの構築によって、安定と繁栄を促す。米国は21世紀を通じて引き続きリーダーシップを発揮する」と表明した。(文:阮宗沢・中国国際問題研究所研究員。「人民日報海外版」コラム「望海楼」掲載)

 これは発言だけでなく、行動も伴っている。米国はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の開催と、東アジアサミットへのオバマ大統領の初出席の機会を利用してアジア太平洋旋風を巻き起こし、「アジア太平洋回帰」戦略を明確に示した。オバマ大統領は就任後「太平洋の大統領」を自任し、米国をアジア太平洋地域の「常駐国」と表現したが、今や21世紀を「米国の太平洋の世紀」とはっきりと主張している。この変化の原因は主に、世界金融危機の後、世界経済が回復力を欠き、不確定要素が増える中、米国には最も経済的活力を備えるアジア太平洋地域がことのほかまばゆく映り、この地域の経済成長の分け前を急いで必要としていることによる。米国の10大貿易相手国・地域の大部分はアジア太平洋にある。アジア太平洋から離れて、その野心的な「輸出倍増」計画の実現は期待しがたい。

 もう1つの重要な要因として、地域体制づくりの活発化しているアジア太平洋において、米国がその相対的優位を利用し、自国に有利な制度の構築を企てていることがある。米国は従来の安全保障メカニズムを強化するだけでなく、「環太平洋戦略的経済連携協定」(TPP)交渉も大仰に主導し、よりハイレベルな「次世代の」自由貿易圏の構築を主張している。TPPは本来ニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイの4カ国が提唱した小規模の多国間自由貿易協定(FTA)であり、参加国の数が少なく、世界貿易に占める割合も大きくないため、余り注目されていなかった。だが2009年に米国が参加を表明したことで、様相は一変した。米国の強力な働きかけの下、日本もTPP交渉への参加を表明。長年先送りされてきた米韓FTAも米議会で可決された。米国にとってこれは、アジア太平洋において経済的劣勢を跳ね返す一助となっただけでなく、より攻めの姿勢の経済・貿易戦略を可能にした。

 実際、アジア太平洋の新たな体制づくりは再び十字路に立っている。特に鍵となるのは、この過程で中米両国がどのような役割を演じるかだ。これによって今後のアジア太平洋が分裂したものになるか、それとも整った統一されたものになるかが決まる。

 米国版アジア太平洋構想は従来の冷戦思考を完全に脱してはいないということを指摘しておく必要がある。クリントン長官は、第二次大戦後に構築された環大西洋体制をモデルに新たな太平洋体制の構築を図るとしている。大西洋体制が欧州にもたらしたのが分裂であったことは誰もが知っている。歴史は繰り返されるのか?もちろんクリントン長官はアジア太平洋地域への投入を強化するにあたり、「中国を含む新興国との関係を深める」としている。これは米国が独断専行に走った結果、得るよりも多くを失うことを意識しており、以前とは様変わりしたアジア太平洋地域の新構造に配慮し、かつ適応せざるを得ないことを示すものだ。総じて言えば、米国の新太平洋戦略が内外から多重の制約を受けることは確実であり、先行きは依然不透明だ。

 これに対して中国は当然、中国版アジア太平洋計画を打ち出すべきだ。それは互恵・ウィンウィンに基づく開放的・包含的で整ったアジア太平洋だ。そして太平洋の世紀は太平洋沿岸諸国に属することが、しかるべき筋道とされるだろう。(編集NA)

 「人民網日本語版」2011年12月19日

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