2012年6月15日    メールマガジン登録I-mode登録中国語版日本版
人民網日本株式会社事業案内  更新時間:12:13 Jun 15 2012

人民日報:外交官の抗議

 最近タイで起きたある出来事を受け、歴史教育における第二次世界大戦の扱いをめぐる議論が再び起きている。バンコクに新しくできたデパートのTシャツ専門店が、ヒトラーの肖像画をプリントしたTシャツを販売。客を呼び込むため、店先にヒトラー像まで置いた。多くの若者が物珍しさに惹かれ、ヒトラー像前でナチ式の敬礼をして記念撮影をした。数日前、イスラエルの駐タイ大使が偶然店の前を通りかかり、この情景を目の当たりにして、直ちに店主とデパートの責任者に抗議した。

 タイではこうした出来事は初めてではない。昨年、北部チェンマイの学校の運動会では生徒たちがナチスの軍服と腕章を身につけて登場。運動会を見学していた、ドイツを含む複数の国のチェンマイ総領事館職員が直ちに抗議した。この出来事について報じたタイメディアは、2年余り前に人気観光地のパタヤでもヒトラーの姿を印刷した巨大広告が道路沿いに出現し、これもドイツを含む複数の国の大使館の抗議で撤去させられたことを明らかにしている。

 ドイツやイスラエルの大使館がヒトラーの画像に対してこれほど強く警戒を続けるのはなぜか。それがアートやビジネスの「手管」などではなく、非常に真面目な政治問題であるからだ。ナチスの本質は反人間性であり、ファシズムはさらに戦争とつながっている。ユダヤ人中心の国であるイスラエルは、自ずとこの問題を強く重視している。一方、ドイツ人が真剣になるのは省察と教育によるものだ。タイに駐在するドイツの外交官たちにとって、ナチスとそれに関するあらゆるシンボルの復活を抑え込むことは、事実上平和を守ることなのである。

 欧州勤務時代、筆者はドイツの小中高校の教科書や補助教材を調べたことがある。ホロコーストに関する詳細な説明があり、ナチスの文書も多く紹介されていた。ドイツの友人によると、教師は歴史に対して自ら判断、分析し、ファシズムの思想基盤を分析するようしばしば生徒たちに指示し、歴史の中に自らを置いて省察するよう指導するそうだ。歴史に対するドイツ人の深い認識はまさにこのような歴史教育によって育まれたものなのだ。

 かつて英国の作家ウェルズは「歴史は教育と災禍の競争だ」と指摘した。第二次大戦は確かに遠く過ぎ去り、現在では映画、小説、コンピューターゲームの中のシーンやストーリーへと変わっている。だが残忍非道な大虐殺の獣行と戦争の再発を防ぎ、平和の種を人々の心に真に根付かせ、開花させるには、整った、正確かつ深い歴史教育によるほかないのだ。(編集NA)

 「人民網日本語版」2012年2月24日

印刷版|コピー|お気に入りに登録
  • 分かち合うへrenren.com
  • 分かち合うへt.qq.com
みんなの感想

名前

コメントを書く コメント数:0

   

最新コメント
  週間アクセスランキング
  評 論      プレスリリース
  中国メディアが見る日本 
  おすすめ特集

地方情報

北京|天津|上海|重慶|吉林|遼寧|河北|山西|山東|河南|江蘇|浙江|安徽|福建|江西|湖北|湖南|広東|広西|海南|四川|貴州|雲南|西蔵|青海|陝西|甘粛|寧夏|新疆|香港|澳門|台湾|黒竜江|内蒙古