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日本の政官関係の苦境--官僚と再び対決 (3)

「週刊!深読み『ニッポン』」第12回

 民主党は09年のマニフェストで、自民党政権時代の数々の弊害や解決できない問題を明らかにしたうえで、政府と与党の権力二元体制を変え、内閣の下でのトップダウン式の政策決定体制を実現すると国民に約束した。

 鳩山政権時、民主党上層部はこのために専門の制度設計を行い、三大改革を実施した。第1に政府と与党の関係において重大な外交政策の「決定の一元化」を強く主張し、与党の中心的幹部が閣僚に就任した。第2に政府内の首相官邸と省庁の関係において「政治主導」「首相主導」「官邸主導」を強く主張した。第3に事務次官会議を廃止するとともに、省庁内の政策決定について政務三役会議によるトップダウンモデルの実現を強く主張した。

 菅直人前首相は前任の鳩山元首相の打ち出した「省庁縦割りの省の利益から、官邸主導の国益へ」との重要原則を踏襲し、具体的政策として「官邸機能の強化」や首相直属の「国家戦略局」の設置を進めた。だが具体的な政策のレベルでは、官僚との調整を重視した。

 現在の野田佳彦首相は「政治主導」の中身の位置づけを見直そうとしている。野田首相は民主党政権発足後、政務三役(大臣、副大臣、政務官)が各省庁でリーダーシップを破棄する制度は確立できたが、政官の主導権争いは成果を上げていないと考えている。専門家集団である官僚組織の能動性を効果的に引き出せなければ、政策決定に必要な情報や選択肢を集めることは難しい。具体的には、重要な政策は政治家が決定し、権限を授けるべきものについては権限を授けるという明確な役割区分を試みている。民主党内でも法案の事前審査制度を再導入しており、事務次官会議の再開も下準備が進められている。

 民主党は自民党の政策決定方式について「権力の流失を放任するもの」と批判してきたが、上述の動きは、民主党政権が「政治主導」の枠組みの中で相当程度自民党時代の政策決定方式に戻っていることを紛れもなく示している。また、政権獲得から4年足らずで鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦と3人の首相を送り出し、自民党政権末期の「1年ごとに首相が交代する」悪循環に自らも陥っている。

 客観的に言って、各省庁の公務員には優秀な専門人材が多くいる。彼らは情報収集、政策決定・執行能力を兼ね備えている。また、高度の専門性と政策の連続性の面において、頻繁に交代する首相とその内閣には代役が務まらず、また変えることもできない安定性を備えており、日本政治の「リモコン」、日本社会の「安定弁」とも形容される。今後、野田内閣が官僚の政策決定権を弱めることと、官僚の専門知識・能力を活用することとのバランスを掌握し、最終的に従わせ、さらには官僚との調和のとれた共存を実現できるかどうかは、なお観察を要する。(文:張勇・中国社会科学院日本研究所中日関係研究センター秘書長)(編集NA)

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 「人民網日本語版」2012年3月30日

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gangqi   2012-03-30106.172.173.*
日本の政治は、官僚によって、特に大蔵官僚によって決められてきた、というのは、ほとんどの日本人なら、良く知っている。現在、連立政権から離脱したり、政権与党内部でも、政府から辞職する政治家が多い。消費税の強行が原因だ。大蔵官僚による政策は、また、為替相場の単独介入、つまり米国の反対を押し切って、米国に対立する形で行われた。この種の民族主義の結果は、日本に対するUN(United Nations)のPKO依頼という形で、即座に帰ってきた。違憲の疑いがある自衛隊の海外派兵は、UNを通じた報復である。直接的には、TOYOTAに対する議会の聴聞会とリコールという形で現れている。これが優れた政策で、優秀な大蔵官僚なのだろうか?単に視野の狭い民族主義者の集まりではないのだろうか?そうした無知な右翼しかトップになれない仕組みが官僚機構にあるのではないだろうか?最近、そんな思いがよぎる。
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