中国の対朝関係は「一は一、二は二」であるべき
大連市の個人漁船「遼普漁25222」号が今月初めに朝鮮側に拿捕された。インターネット上で事件が明らかになった後、在朝鮮中国大使館は19日夜に対外的に事実を認めるとともに、漁船と船員を速やかに解放し、船員の生命と財産の安全および合法的権益を適切に保障するよう朝鮮側に要求した。(環球時報社説)
船主は拿捕時に漁船が越境していたとの説明を強く否定している。第三者の裁決がない中、朝鮮側の説明と中国漁船側の説明が食い違うのは自然なことだ。だが中国漁船が朝鮮側に拿捕される事件は長年にわたり時折発生しており、中国漁船は確かに越境していないケースが多くある。朝鮮側は往々にして漁船の価値に応じて罰金の支払いを船側に要求し、悪循環ができあがっている。
中国漁船が朝鮮側に拿捕された事件と、少し前に台湾の漁師が南中国海でフィリピン側に射殺された事件は性質が異なるということを指摘しておかなければならない。南中国海での衝突には中比の領土対立という背景があるが、中朝は異なる。中朝間の問題は、朝鮮側軍警が海上境界線の曖昧さを利用して中国の漁師をゆすっているという方が正確だ。
中比、中日の海上のもめ事は双方の戦略面の姿勢と高度に一致している。このため双方共に海上の具体的な事件における姿勢を全力で堅持する。南中国海で台湾漁師がフィリピン側に射殺された際も、直ちに両岸の対比関係に全面的危機をもたらした。双方の調停の余地は共に小さい。
中朝の海上のもめ事は両国関係の大きな方向性と矛盾する。少なくとも両国政府の姿勢とは食い違う。朝鮮核問題によって中朝関係に不調和が生じているため、海上での朝鮮側の行動がこの大きな背景となんらかの関連があるのではないかと疑われるのも自然なことだ。中朝の海上問題には多重の原因がある。例えばこれまで同様のもめ事が発生した際、中国側が十分に強硬な姿勢を取らなかったため、朝鮮側の末端の軍警とその指揮官が怖いもの知らずになっていることなどだ。