世界の一級国家はどの国か
日本の安倍晋三首相は2月末にワシントンの有名なシンクタンクで講演した際、日本は今も一級国家だと述べた。この言い方を聞いてから、私はずっと現在の世界でトップランクの国家とは一体どの国なのかと考えている。日本なのだろうか?最近また「中国は二流国家の中でで最も優れている」との香港メディアの文章を目にした。この文章の、いわゆる二流国家とは中国、ロシア、インド、ブラジルを指す。(文:厖中英・中国人民大学国際関係学院教授。環球時報掲載)
国際問題の評論家らはしばしば世界を一流か二流かで分ける。これに対応する専門的概念は「超大国」「大国」などの伝統的概念で、「世界大国」「地域大国」は影響を与える勢力範囲について述べたものだ。ある国は、ある意味、ある分野においてすでに大国だが、世界大国としての、または真の意味での全面性を欠くが、抱負は十分なので、いわゆる「中等大国」との矛盾した呼称が生じた。韓国は自らを新興の中等大国と位置づけている。
オリンピックでの世界のスポーツ強国のランク分けは国際システムにおける国家のランク分けをどう見るかにとって啓発となる。オリンピックでトップランクのスポーツ強国は以前は米国とソ連だった。だが後に他の勢力の台頭によって、この状況は大きく変わった。現在すでに中国は世界のスポーツ強国で、米露独と肩を並べている。一方、日本と韓国はスポーツでも強国だが、克服不能な限界があるため、トップランク入りは永遠に難しそうだ。アフリカの少なからぬ国は、いくつかの種目で生まれつきの才能のために超一流だが、経済と教育が依然発達していないため、トップランクやセカンドランクには入れずにいる。
1970年代を振り返ると、経済的に台頭した日本は、フランス人の組織したG7に招かれて加わった。今日でも日本の大国の地位の主たる象徴はこのグループだ。それから20世紀終わりまで、世界の人々は米欧日の「三極」を論じてきたが、これは世界経済の意味においてのみだ。今やG7はG8に変化しただけでなく、その輝きはとっくにG20に取って代わられている。現在の世界でもまだ「米欧日」を論じる人がいるだろうか?安倍氏は日本は依然世界のトップランクの国だと考えている。彼の講演中、大多数の米国の聴衆はその見解に同意しなかったはずだ。