中国の海洋戦略:平和と協力
国連海洋法条約の規定と中国の一貫した主張に基づき、中国は内水、領海、接続水域、排他的経済水域(EEZ)を合わせて300万平方キロメートルの管轄可能海域および一部外縁大陸棚の権益を有する。(文:胡波・北京大学中国戦略研究センター副研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
世界の他の海洋大国と比べ、これは非常に小さな数字だ。米国とオーストラリアはいずれも1000万平方キロメートル近くの海洋国土を擁すると称している。日本、カナダ、英国はいずれも400万平方キロメートル以上の海域を擁すると主張している。膨大な人口を擁することも考えれば、なおさらに中国の主権範囲内の海洋空間は広大とは言えない。
海洋地理空間の不利な国家、大変な発展課題と世界的使命を有する大国である中国が海洋強国となるには、その海洋発展戦略はグローバルな視野を持ち、世界の海洋空間を舞台とし、自らの海洋空間を勝ち取ると同時に、国際公共海洋空間および他の沿岸国との協力空間を積極的に開拓し、主権権益範囲外の海洋空間での計画と取り組みを強化しなければならない。
国際公共海洋空間は公海と「区域」を含む。このうち公海は各国のEEZ、領海、内水および群島国の群島水域以外の全ての海域を指す。「区域」は各沿岸国のEEZまたは大陸棚以外の海底部分を指し、人類全体の共同の財産であり、豊富な資源を埋蔵している。