真の「地域の安全の破壊者」は誰か
中国の行動は泰然たるものだ。中国は23日、東中国海防空識別圏の設定を宣言。国家の主権と領土領空の安全を守り、飛行秩序を維持することを旨とする、自衛権の実効性ある行使に必要な措置であることを明確に表明した。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究所国際戦略研究部副主任。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中国の権利は正当なものだ。東中国海防空識別圏の設定方法は国際法と国際的慣例に合致しており、とがめだてする点はない。だが中国の行動がどれほどしっかりしていても、決まって感情を高ぶらせる者が出てくる。「自国は好き勝手に振る舞って良いが、中国の行動は小さな事でも制限する」という彼らの尊大ぶりを、世論を惑わす小細工で覆い隠すことはできない。
日本の岸田文雄外相は、中国の東中国海防空識別圏が釣魚島(日本名・尖閣諸島)を含んでいることは受け入れられないと述べ、中国の「一方的な行動」に不満を表明したうえ、中国は「事態をエスカレートさせ、不測の事態を招きかねない」と述べた。だが早くも数十年前に日本が防空識別圏を設定した時に中国と相談しなかったうえ、こともあろうに中国固有の領土である釣魚島上空まで含めたことは誰もが知っている。そしてここ何年か、真に度々「事態をエスカレートさせ」てきたのは一体どの国だ?
慌てふためく国もあれば、無闇にかき乱す国もある。米国は日本に呼応して、中国の正当の行為に対してとやかく言い、自国が一貫して公言してきた「釣魚島の主権問題において特定の立場を取らない」との姿勢を忘れたふりをし、同盟国に対する義務を強調し、米日安保条約第5条の釣魚島への適用を重ねて表明した。こともあろうにオーストラリアまで横から口を挟み、中国の東中国海防空識別圏設定にいわれなき非難を加えた。
こうした国々が釣魚島問題および領空の現状について腹ではよく分かっており、心中で利己的な計算のためのそろばんをぱちぱち弾き続けていることは明らかだ。中国は東中国海防空識別圏の設定にあたり、いかなる特定の国や目標も念頭に置いておらず、当該空域の通過の自由への影響はないことを公に表明した。正常な飛行への影響はみじんもない。中国が防ぐのは、下心ある者だ。もし国際法と国際関係の準則をかねてより遵守している国であるなら、悪事をはたらいて心中びくびくしている者のように、これほど明に暗に自国を狙った措置と捉えるだろうか?