日本版NSCが発足 中国は地域の安定への寄与を要求
日本の外交、安全保障政策の「司令塔」である国家安全保障会議が4日、正式に発足した。国家安全保障会議は同日、安倍晋三首相、麻生太郎副総理、菅義偉官房長官、岸田文雄外相、小野寺五典防衛相による「5大臣会合」を招集し、年内に策定する国家安全保障戦略、中国の防空識別圏設定や朝鮮情勢への対応を協議した。
日本政府は1986年に政府安全保障会議を設立したが、大臣9人が出席することから政策決定の効率が低く、「儀礼的会議」に成り果てたと批判された。第1次安倍政権は、日米同盟を強固なものにし、東アジアでの影響力を強めるため、米国の国家安全保障会議(NSC)をモデルに日本版NSCの創設を打ち出したが、政権交代により実現しなかった。安倍首相は2012年に政権に返り咲くと、改めてこの方針を提出。今年11月27日の参議院本会議で国家安全保障会議設置法が賛成多数で可決された。同法に基づき、国家安全保障会議は首相、官房長官、外相、防衛相による4大臣会合を柱とし、副総理がいる場合は5大臣会合となり、月2回会合を開く。参加閣僚の大幅な削減は、政策決定を迅速化するためだ。来年1月に事務局となる国家安全保障局を設置する。すでに谷内正太郎内閣官房参与が初代局長に指名されている。
安倍首相は国家安全保障会議招集前の党首討論で、日中の国防力の比較分析を行い、今後は米英などの国家安全保障会議との協力も強化すると表明した。また、日本政府は4日、中国の防空識別圏設定問題への対応を扱い、国家安全保障会議が近く初めてまとめる「国家安全保障戦略」に盛り込むことを決定した。
現在安倍内閣は米英などの国家安全保障会議との情報交換と分析には秘密保全が必要なことを理由に、6日の国会閉幕前に「特定秘密保護法案」を強行可決させようとしている。民主党、共産党、社民党など7野党の党首らは4日夕方、東京で合同街頭演説会を開き、同法案の慎重な審議を求めた。また、日本の民衆約6000人が同日午後「安倍内閣は国民の声を聞いて」「情報隠しは断じて許さない」などのスローガンを声高に叫び、手をつないで人間の鎖で国会を包囲し、同法案の廃案を政府に求めた。